赤ちゃんが簡単に寝られないのは生存本能?子どもの睡眠について
赤ちゃんがなかなか眠ってくれない、抱っこして寝かせても置くと泣いてしまう、など赤ちゃんの眠りについて悩むお母さんは多いのではないでしょうか。
実は赤ちゃんは、生存本能によりぐっすり眠らないようメカニズムされています。
眠りが浅い、眠ってくれない、夜間育児等に、お母さんは毎日疲れてしまいますね。
しかし、赤ちゃんが眠れない理由を学んでおくと、”赤ちゃんとはそういうもの”と割り切りストレスも軽減されます。
「なぜ寝てくれないの?」そんな疑問を解消していきましょう。
赤ちゃんの睡眠パターンを知る
赤ちゃんを寝かしつけていて、こんな経験はありませんか?
- 赤ちゃんが眠くてぐずり始めました。
- お母さんは抱っこをして家中を歩き回ります。
- 赤ちゃんの目が閉じてきました。
- 薄目は開き、呼吸は不規則、手足は曲がり、たまに笑みを浮かべることもあります。
- そろそろ大丈夫かな、と赤ちゃんをベビー布団に寝かせようと屈みます。
- その途端、赤ちゃんの目がパッチリ!!
- お母さんと目が合って今度はギャン泣きしまった・・・。
できればそのまま、すんなりと寝て欲しいと思ってしまいますよね。
実は赤ちゃん、生まれて数ヶ月は20分程度の浅い眠りを経てからではないと深い眠りにつくことが出来ません。
まどろんでいる最中に下ろせば、大抵目を覚ましてしまいます。
赤ちゃんを寝かしつける際は、レム睡眠(深い眠り)に入ったかどうかの見極めが大切です。
【 レム睡眠のサイン 】
- 顔をしかめない
- 身をよじらない
- 浅く規則的な呼吸
- 手のひらが開く
- 手足がだらんとする
深い眠りについた赤ちゃんですが、1時間程経つと身動きを始めます。
再び浅い眠りの波に入ったためです。この段階で物音や刺激が伝わると、多くの赤ちゃんは目を覚ましてしまいます。
約1時間ごとに深い眠りと浅い眠りを繰り返す睡眠サイクルは、大人の2倍もの時間、ノンレム睡眠の状態となります。
赤ちゃんは大人ほどぐっすり眠らない
赤ちゃんと大人を比較すると、眠りへの入り方に差があります。
大人は足踏みすることなく入眠しますが、素早く深い眠りに入ることは赤ちゃんにとって難しいのです。
また睡眠サイクルが短い上目覚めに繋がる周期も多く、浅い眠りの時間にいたっては大人の倍あります。
ぐっすり眠らないのは生存本能
赤ちゃんは、快不快だけでなく危険が差し迫っていることを本能的に感じ、それを大人に伝達するために泣きます。
いわば防衛のメカニズムです。
Q.もしも赤ちゃんが大人と同じように眠ったらどうなってしまうのでしょう?
- 暑くても寒くても合図を送ることが出来ない
- 空腹を知らせることが出来ない
- 鼻が詰まって呼吸が苦しくても助けを求められない
- どこか体が痛くても訴えることが出来ない
赤ちゃんが意思を伝える唯一の手段は泣くことです。
初期の数か月、赤ちゃんが夜中に頻繁に目を覚ますのは、寒い熱い、空腹など目覚めが必要な事が体に起きているからだと言えます。
自分自身でどうすることも出来ないそれらの欲求を泣いて伝えることで、自らを守るのです。
SIDS(乳幼児突然死症候群)に対する防衛のメカニズム
乳幼児突然死症候群とは、1歳未満の乳児が原因も分からぬまま突如亡くなる病気です。
なぜこのような事が起こるのか、未だこの問題に関する結論は出ていません。
赤ちゃんが夜中に目を覚ますのは、その小さな体にSIDSに対する防衛メカニズムが備わっているためと結論付けている研究者もいます。
欲求を伝える能力がとても低いために、”泣く”という行為で意思表示をする、この2点は密接な関係があるようです。
子どもの眠りに関する、ちょっぴり疲れるデータ
子供を寝かしつけていると、すんなり寝てくれればいいのに、と思うことは度々あります。
お母さんが近くにいないと眠れない子や、泣き喚き疲れ果て寝てしまう子もいます。
「うちの子はなかなか寝てくれない」と感じるお母さんは多くいますが、実は赤ちゃんのこの反応はごく自然なものなのです。
- 赤ちゃんはレム睡眠(浅い眠り)を経てから寝るため、寝かしつけてもらわないと眠りにつけない。
- 睡眠サイクルが大人より短い。そして深い眠りより浅い眠りの方が長い。
- 赤ちゃんは夜間に目覚めると、大人よりも再び寝つくのが難しい。
- 「夜通し眠る」の医学的定義は「5時間続けて眠る」こと。
- 赤ちゃんが夜中に目覚める頻度。生後6ヶ月までは2~3回、6ヶ月~1歳までは1~2回、1~2歳は1回。もっと頻繁に目を覚ます子もいる。
- 赤ちゃんの平均的な睡眠時間。生後3ヶ月までは14~18時間。3~6ヶ月は14~16時間。6ヶ月~2歳は12~14時間。
- 赤ちゃんの寝つきは、本人の気質によって決まる。寝かしつけのうまい下手左右されるものではない。
- 赤ちゃんが起きたとしても、親の責任ではない。
- 寝る時間に離乳食で赤ちゃんのお腹を満たしても、それにより長く眠ることはほとんどない。
引用…シアーズ博士夫妻のベビーブック
※3~5歳の平均睡眠時間は11~12時間。活動量の増える時期のため、深い眠りに入りやすくなります。
赤ちゃんの睡眠サイクルは、それぞれで全く異なります。
しかし全ての赤ちゃんが共通して夜中に起きる事が事実のようです。
睡眠環境を整えてあげ、赤ちゃんの入眠の手助けをしてあげましょう。
寝かしつけるお母さんは毎回大変ですが、ゆったりと構えてあげることが大切です。
浅い眠りが赤ちゃんの脳を発達させる
浅い眠りの間に夢を見ることで、赤ちゃんの脳には視覚的な画像が送られる、との研究発表があります。
睡眠中の自己刺激は、脳の発達を強化していきます。
では、いつになればスムーズな眠りにつき、朝まで起きることがなくなるのでしょうか。
- 生後3ヶ月間
- 睡眠習慣は哺乳のタイミングと似ています。生後数か月の赤ちゃんは、4時間眠ると哺乳の必要があります。昼夜の区別はまだなく、1日に14~18時間程度眠ります。
- 生後3~6ヶ月
- 日中目覚めている時間が長くなり、夜中に5時間程度続けて寝るようになります。まだ夜中に1~2回目覚めますが、睡眠サイクルが次第に落ち着きを見せます。
- 生後6ヶ月~1歳
- 昼夜のリズムができはじめる頃です。離乳食など新たな成長が見られる時期であり、夜にまとまって眠ることも多くあります。
- 1歳~3歳
- 分離不安の影響により、夜間しばしば目覚めてしまいます。親と離れることに不安を感じるこの精神的現象は、発達とともに見られる自然な行動です。
- 3歳~5歳
- 一人寝ができるようになる月齢です。最初はお母さんの姿が見えないことに不安を感じ、ぐずりが見られますが、就寝前に絵本やお話を聞かせてあげると心が落ち着きます。一人寝の習慣化を行いましょう。電気は豆電球のままが良いのか、ぬいぐるみと一緒に眠りたいのかなど、お子さまの睡眠環境を整えてあげましょう。11~12時間の睡眠が理想です。
- 大人の睡眠
- 深い眠りの時間が長く、浅い睡眠が少ない上夜間に目覚める頻度が低い、このことを”睡眠の成熟”と呼びます。大人の脳にはこの睡眠パターンがインプットされ、自然な流れでの睡眠が身についています。
年齢を重ねるごとに上手に眠れるようになります
個人差はあるものの月齢が高くなるに伴い、子どもは上手な眠りを体得していきます。
しかし脳が上手な眠りを覚えたかと思うと、今度は身体的理由、またその成長過程で、安らかな眠りが妨害される事象が起こります。
風邪をひく、歯が生えてくる、体に痛みを覚えるなど、目を覚ます刺激がより頻繁に現れるのです。
発達の過程(おすわり、ハイハイ、あんよなど)を通過するにつれて、目を覚まして新しく発達中の技術を練習することがたびたびあります。
このような夜間の運動が終わるころになると、次には、分離不安など他の原因が持ちあがってくるのです。
本当に子育ては24時間営業なんだ、と思い知ることになるでしょう。
引用…シアーズ博士夫妻のベビーブック
赤ちゃんを寝かしつけるための工夫
おなかの中にいた10ヶ月間、そこは全く音のしない世界ではありませんでした。
お母さんの心臓の音や外界の様々な物音、赤ちゃんが落ち着いて眠るにはその空間を思い出すようなBGMが必要かもしれません。
まずは、赤ちゃんを眠りに誘う音を紹介します。
- 水道やシャワーから流れる水の音
- 水槽のエアポンプの泡の音
- お母さんの鼓動を録音したもの
- 1分間60ビートにセットしたメトロノーム
- 波の音
- 掃除機をかける時の音
- ゆっくりとテンポが変化するクラシック
(モーツァルト、ヴィヴァルディ、バッハ、ハイドンなどおすすめ)
赤ちゃんは、フルートやクラシックギターなど、シンプルではっきりと聞こえる音を好むようです。
騒然としてリズムのないロックが睡眠を妨害することは実証されています。
気になる!先輩ママの寝かしつけ
子育て経験者の先輩ママはどうやって子供を寝かしつけているのでしょうか?
神業とも言える寝かしつけの方法を見ていきましょう。
【27歳 初産婦】~必殺!かけつけ授乳法~
生後3ヶ月の娘は、日中全く寝てくれない強者です。
そのため昼間のあやしている時間は大変ですが、夕方5時頃になると途端に眠くて泣きだし、そのまま睡眠モードに入っていきます。
一度寝かしつけても、数分後にはもぞもぞ動き出し、ぐずる素振りを見せますがしかしここで、そのまどろみから完全に覚める前に、即座に駆け付け授乳をします。
すると再び目を閉じ寝てしまいます。起き出す気配を感じて数秒後には授乳する、これを繰り返す事で夜は母娘ともにグッスリです。
【28歳 初産婦】~最終手段のドライブ~
生後6ヶ月を迎えた娘は、未だうまく寝就くことが出来ません。
眠りたくても自分の泣き声で目が覚めたり、泣きすぎてむしろアドレナリンが出ているのではないかと思う程、毎回の寝かしつけに手を焼きます。
アパートに住んでいるため、周りの部屋に泣き声が響き渡るのも分かるので、最終的には車に乗せ夜間ドライブをします。
揺れが気持ち良いようで、20分程度の走行で100発100中寝てくれます。チャイルドシートから降ろしても、そのまま寝続けてくれます。
【30歳 経産婦】~経産婦添い乳で寝かせる=
赤ちゃんと一緒に横になり、お母さんは寝そべりながら授乳が出来る添い乳をしています。赤ちゃんはおっぱいを飲みながら寝てくれますし、お母さんの負担も少ない授乳方法です。
寝かしつけの効果は絶大の上、こどもと一緒にママも眠ることができるところも利点です。
二児の母ですが、よく添い乳で寝かせていました。
【34歳 経産婦】~就寝の流れを習慣化~
ママ友に、おやすみの儀式を習慣化すると良いと教わりました。
そこでわが子でも実践してみることに!一連の流れは、お風呂に入る、10分程の抱っこで眠気を誘う、授乳、睡眠という具合です。
習慣化させるのには時間がかかりますが、生後3ヶ月あたりから毎日繰り返すうち子どもの体内リズムが出来上がりました。
現在2歳の息子ですが、いまだ同じリズムで眠りにつきます。
寝つきを良くするヒントとは
赤ちゃんを強制的に眠らせることはできませんが、自然に眠くなるよう誘導してあげることは出来ます。
赤ちゃんの気質や生活スタイルを加味し、それぞれの家庭に合った睡眠環境を整えてあげましょう。
日中心穏やかに過ごしましょう
昼間に落ち着いて過ごすと、安らかな睡眠へと導かれるようです。
日中に沢山抱っこしたりあやしたりと、赤ちゃんを気持ち良くさせることが夜間の眠りに繋がります。
もし、赤ちゃんが眠らないようなら、日中に起きている不安要素を考えてみましょう。
- 昼間のお母さんは忙しくしていましたか?
- 保育士と子供の相性はどうでしょうか?
- 抱っこや授乳してくれる人の側で、長い時間を過ごせたでしょうか。
赤ちゃんの不安要素を取り除いてあげると、夜落ち着きやすくなります。
マッサージとお風呂でリラックス
気持ちの良いマッサージや温かいお風呂は、筋肉の緊張をほぐします。
また目が冴えて眠れない赤ちゃん、泣いて眠るどころではない赤ちゃんにリラックスの効果をもたらします。
お風呂が嫌いな子、お風呂で逆に目がさえてしまう子は、日中の早い時間帯に入浴させましょう。
パートナーの協力を仰ぐ
眠りにつけず興奮してしまう場合、あやす大人をお父さんへと変えてみましょう。
赤ちゃんの気分転換とお母さんの休息のため、そして赤ちゃんがパパに慣れるために、お母さんと赤ちゃんは一旦距離を置いてみましょう。
父親も男性独特の方法で、赤ちゃんを寝かしつけることが出来ます。
赤ちゃんに寄り添って横になる
眠くて仕方がないのに、眠りにつけずぐずってしまう、このような時は抱っこをしたり、腕の中でミルクをあげたり揺らしたりとあやした後、赤ちゃんと一緒にお布団に横になりましょう。
そして、赤ちゃんが眠りについたのを確認するまで側にいてあげます。
お母さんの匂いや温かさが伝わり、安心感が生まれるはずです。
ゆっくりと赤ちゃんを睡眠に誘導することが大切です
筆者の娘は背中にスイッチがあるのか、抱っこから下ろすと全力で泣く強者でした。
しかし日が陰り始めると入眠するサイクルが出来ているようで、夜間に何度も起きることはありません。
赤ちゃんの個性、家庭の生活スタイル、環境などは各家庭でそれぞれ異なります。お母さんお父さんは柔軟に構え、赤ちゃんを睡眠に誘導してあげることがとても大切です。
色々と試し、お子様にしっくりくる方法を見つけましょう。赤ちゃんはその個性によって、眠り方も抗議の仕方も千差万別です。
眠りにつくまで付き合うお母さんは毎日とても大変ですが、赤ちゃんの脳は、浅い眠りの際に様々な情報処理をします。
一つの成長過程である、その事を念頭に置き見守ってあげましょう。
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