非適時破水の種類と起こる原因…早めの気づきが適切な処置に繋がる!
出産予定日が近づいてくるといつ陣痛や破水があるのか、楽しみと不安の入り混じった複雑な気持ちになりますよね。
適時破水が実際、一番多く見られる破水の状態なのですが、それ以外の時期に破水することを「非適時破水」と言います。
非適時破水になる原因について説明します。
この記事の目次
非適時破水の種類とそれぞれのリスク
破水が陣痛が始まって分娩している最中だと、医師の管理下の元で行われるので安心ですが、破水するのが適時破水とは限りません。
非適時破水の状態は大きく分けると3種類あります。
- 非適時破水の種類
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- 前期破水…陣痛開始前に破水する
- 早期破水…分娩開始後、子宮口が全開大になる前に破水する
- 遅延破水…子宮口が全開大になっても破水しない状態
- 非適時破水で考えられる主なリスク
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- 前期破水…子宮内感染・微弱陣痛・分娩遷延・胎児機能不全・赤ちゃんの未熟
- 早期破水…子宮内感染・胎児機能不全・分娩遷延
- 遅延破水…分娩遅延・早期胎盤剥離
非適時破水でも37週以降であれば、分娩を進めていきます。
前期破水は妊娠後期以外でも起こることがあり、赤ちゃんの成長の状態によっては、なるべく長く子宮内に留まらせる処置がとらることもあります。
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【前期破水】陣痛開始前に破水する原因
破水の中でで一番注意が必要なのは前期破水です。特に正産期に入る前の前期破水は、赤ちゃんの成長具合によって、慎重に管理をする必要があります。
前期破水の原因によっては、人より前期破水になりやすいのかどうか、気をつけることで前期破水を防ぐことができるものもあります。
- 子宮内感染による卵膜の脆弱
- 羊水過多・多胎妊娠に加えた急激な子宮内圧の上昇
- 子宮頸管無力症などによる子宮頸管の脆弱
- 前期破水になると考えられるその他の原因
前期破水の原因についてお話しします。
子宮内感染による卵膜の脆弱
前期破水の要因としてまず挙げられるのが、絨毛膜羊膜炎などの子宮内感染です。絨毛膜羊膜炎は早産の主要因にもなっているため、注意が必要です。
絨毛膜羊膜炎は、膣炎や頸管炎からの上行感染により起こります。絨毛膜羊膜炎になってしまうと、タンパク分解酵素によって、卵膜のコラーゲンの脆弱化を引き起こします。
膣炎や頸管炎、また 歯周病菌も要因の一つと考えられているので、それらの治療を行うことは、子宮内感染を防ぎ、前期破水の予防になります。
妊娠中のコンドームなしでの性行為は、感染リスクを高めるため、行わないようにしましょう。
また、精液中に含まれるサイトカインという物質が、子宮頸管の熟化、破水にも関連していることも分かっています。
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羊水過多・多胎妊娠に加えた急激な子宮内圧の上昇
羊水過多や多胎妊娠の場合、子宮壁が伸びて薄くなっているのに加えて、咳や性行為などの外的要因により、急激に腹圧が掛かると前期破水することがあります。
また、胎位異常により子宮口の内側に圧力がかかる、子宮奇形により子宮内圧が上昇することも原因になっています。
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子宮頸管無力症などによる子宮頸管の脆弱
陣痛(子宮収縮)がなく、突然破水がおきる原因として、子宮頸管無力症が挙げられます。
- 子宮頸管無力症
- 子宮頸管が何らかの理由で脆弱になり、出産時期ではないのに、子宮頸管の熟化が起きてしまう状態を言います。
先天的なものや子宮奇形、子宮頚部の損傷などが要因と考えられています。
子宮頸管の短縮などにより、検診の時に疑われた場合、安静にするか子宮頸管縫縮術をするかの選択することになります。
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前期破水になると考えられるその他の原因
前期破水の主な要因は、卵膜の脆弱、子宮内圧の上昇、子宮頸管の脆弱などが考えられますが、その他に原因として下記が挙げられます。
- 羊水穿刺などの医学的処置によるもの
- 喫煙
- 母体の栄養状態悪化や病気
羊水穿刺や胎児手術による破水は、自然に卵膜が修復する可能性もあります。
【早期破水】子宮口が全開大になる前に破水する原因
子宮口が全開大になる前に破水する早期破水は、陣痛が始まっているため、感染予防をしながら分娩をします。
- 卵膜の脆弱(前期破水と同様)
- 赤ちゃんと子宮下部や骨盤入口との間が不適合
- 子宮頚部や子宮口が強靭で頸管が開くのが遅れる
早期破水の原因についてお話しします。(卵膜の脆弱については、前期破水と同様の原因が考えられます。)
赤ちゃんと子宮下部や骨盤入り口の間が不適合
赤ちゃんと子宮下部や骨盤入り口の間に隙間があると、早期破水を起こしやすい状態になります。
- 子宮下部と骨盤入り口に隙間ができる主な要因
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- 骨盤位(逆子)、横位、反屈位などの異常胎位
- 羊水過多、多胎妊娠
- 骨盤が狭い
- 赤ちゃんの頭が大きい
子宮頚部や子宮口が強靭で頸管が開くのが遅れる
子宮内圧が高まっているのに、子宮頚部や子宮口が硬いなどの理由で、頸管がなかなか開かず、子宮口が全開大する前に破水してしまうことも要因の一つとして挙げられます。
軟産道強靭と呼ばれていて、通常 出産が近づくと子宮頸管の熟化が見られますが、熟化があまり進んでいない場合に、先に破水してしまうことがあります。
- 軟産道強靭の主な原因
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- 高齢出産
- 分娩時の頸管損傷(経産婦)
- 頸管手術による傷跡
- 子宮頚部にある子宮筋腫
- 膣のまわりの筋肉が硬い
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軟産強靭の場合、分娩遷延になりやすい為、子宮頸管を柔らかくする措置(ラミナリア、陣痛促進剤など)がとられ、状況によっては帝王切開が選択されます。
- 分娩遷延
- 本陣痛が始まって、分娩が開始して初産の場合は30時間、経産の場合は15時間を経過しても、赤ちゃんが産まれてこないことをいいます。
分娩に対する恐怖や痛みは、軟産道の強靭を助長してしまうので、ラマーズ法やソフロロジーなど出産前にトレーニングするのもお勧めです。
軟産道強靭は体質的なものもありますが、特に高齢出産の場合になりやすい状態が個人差があります。
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【遅延破水】子宮口が全開大になっても破水しないの原因
子宮口が全開大になって、胎胞が子宮口から出てきているのにも関わらず破水しない状態を遅延破水と言います。
- 胎胞
- 子宮口付近の卵膜と赤ちゃんの間に溜まった前羊水部分で、通常は赤ちゃんの頭が下がってきて内圧が高まり、この部分が増大すると破水します。
- 遅延破水の主な原因
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- 卵膜が異常に強靭
- 前羊水が少なすぎる
- 微弱陣痛
遅延破水の場合は、一般的には卵膜を人工的に破って、分娩を進めていきます。赤ちゃんが卵膜に包まれたままの状態で分娩することもあります。
適切な処置を受ければ適時破水でなくても出産はできる!
非適時破水になる原因について、お話しさせて頂きましたが、原因によっては非適時破水になるのを防ぐことはできます。
それでも、年齢や体質的なものなど、自分で気をつけていても非適時破水になってしまう場合もあります。
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