お話で遊ぼう!子どもの退屈しのぎに、手ぶらでも遊ばせる方法

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2018/09/16

子どもが退屈して騒ぎだしたらどうしよう!駅やレストラン、医者などの待ち時間に困ることがありますよね。何も遊ばせるものがなかったら、お話で遊んでみませんか。

おもちゃや道具がなくても大丈夫。物語を語りながら、その中に子どもも参加して遊べます。工夫次第でいくらでもお話を広げていけます。

物語なので覚えやすく忘れにくいです。子どもとお出かけする時、頭の中に遊べるお話をひとつ用意していきましょう。

楽しく遊べる便利なお話のご紹介です。

アメリカに伝わるお話「石のスープ」で遊ぼう!

ストーリーテラーのアメリカ人フラン・ストーリングスさんの再話を、日本人の「おはなしおばさん」藤田浩子さんが本にまとめた中のひとつです。

「石のスープ」の概要

  1. 昔、お腹をすかせた旅人が町にたどり着きました。食べ物を求めて家々を訪ね歩きます。
  2. どこの家からも「恵むだけの食べ物はない」と断られます。町の人は健康そうで、畑には野菜や果実が実っているのに。
  3. 旅人はいいことを思いつきました!「石さえあればできるスープを作るよ!」と提案します。
  4. 「石だけでいいの?」と町の人は大騒ぎ。鍋に水を用意し、火をおこしました。
  5. 旅人はポケットからきれいに磨いた石を取り出し、鍋に入れて歌いました。
  6. 「スープを作ろう。材料は石だけ。だけどお腹いっぱいで温まる!」
  7. 「スープの匂いなんて、してこないじゃないか」町の人が怒ったので旅人は言いました。
  8. 「実はここ1週間、この石でスープを作りすぎたので味が薄くなったかな。ニンジンを少し入れたらいい味になるのだけど、ニンジンなんてないですよねー」
  9. 「ニンジンなら、うちの庭にあるわ」町の人がひとりニンジンを入れてくれました。
  10. 「スープを作ろう。材料は石だけ。それとニンジン。だけどお腹いっぱいで温まる!」と旅人は、追加した材料を足して歌います。
  11. 「まだいい味にならないな。タマネギを用意してもらうのは無理ですよね」
  12. 「タマネギならあったかも」町の人がまたひとり玉ねぎを入れてくれました。
  13. 「スープを作ろう。材料は石だけ。それとニンジン、タマネギ。だけどお腹いっぱいで温まる!」
  14. 「いい匂いになってきたから、塩とコショウで味つけできればな。誰か持ってませんかね」
  15. 「塩とコショウならうちにある!」と町の人がひとり持ってきてふりかけてくれました。
  16. 「スープを作ろう。材料は石だけ。それとニンジン、タマネギ…塩コショウ。だけどお腹いっぱいで温まる!」
  17. 「スープが完成しました!先日、王様とスープを食べた時、王様がパンやビール、果物まで用意してくれて、豪華な食事会になりましたっけ」
  18. 「うちに○○がある」「私も◇◇を持ってくるね!」「△△ならあるかも!」と町の人があれこれ持ってきてくれたので、とても豪華な食事会になりました。
  19. おなかがいっぱいになった町の人たちは喜び、旅人を泊めてあげて朝食も用意してくれました。
  20. 旅人は町を去る時、スープのもとになった石を町の人たちにあげました。
参考文献:「おはなしおばさんの 世界のおはなしむかーしむかし」藤田浩子、フラン・ストーリングス 一声社より

遊び方

基本は次々と材料を足していき、歌につけ加えていきます。飽きてきたり材料を覚えていられなくなったら終わりにしましょう。

スープにどんどん材料を足そう!

  • 材料を「次は何入れる?」など子どもに聞く
  • 「じゃあ切って」「鍋に入れて」と、子どもにさせる

音をたてよう

  • 旅人が家の戸を叩く音「トントン」「ドンドン!」「もしもし?」など
  • 材料を入れてかき混ぜる音「ぽちゃん」「ドボン」「ボチャンボチャン」

スープができたらほかのものも用意する

「王様は色々用意してくれたね。ほかに何を用意しようか?」と子どもに尋ねてみましょう。ジュースやケーキなど子どもが大好きなものもいいですね。

最後は一緒に全部食べよう!

全部そろったら、子どもと一緒に食べましょう。スープをお皿に入れる真似をして「どうぞ」と渡して「いただきます」。

「スープおいしいね」「ほかにはどれがおいしいかな」と話したりできます。

長さや内容をアレンジ

少し長いので、必要なところだけ話すようにしても構いません。一度話したのであれば、いきなり石のスープを作るところから始めてもいいでしょう。

登場人物を変える

もともとのお話も様々なパターンがあるそうです。「旅人」が「戦地からもどる文無しの兵士(たち)」であったりします。

旅人を「お父さん」や「お母さん」にしてみたり、子どもやペットの名前を使っても面白いですね。

役割を決める

聞き手の子どもなど、人がたくさんいる場合は役割分担もできます。あらかじめ誰が何の材料を用意するなどを決めておきます。

「次はあなた、材料は何?」と順番に聞いていきます。それぞれに材料を洗ったり切ったり、鍋に入れてかき回したりしてもらいましょう。

本当に作る?「石のスープ」

アメリカの幼稚園ではお話のあと、実際に「石のスープ」を作るところもあるそうです。自分が料理に関わると、嫌いな野菜もちゃんと食べるようです。

先生が鍋に、きれいに洗った石とだし汁を用意します。子どもたちは野菜などを手分けして準備するそうです。

今晩のメニューは「石のスープ」

家で作ってみることもできます。石を入れなくていいですし、実際にきれいに洗った石を用意してもいいです。

子どもと一緒に野菜を切ったりちぎったりします。鍋に材料を入れるだけでも子どもには楽しいことです。「石のスープ」と同じだね、など言うと喜びます。

食材や料理に対する興味もわきますし、ちゃんと食べるようにもなります。

お話の効果

子どもは食べ物に関することには興味を持ちやすいです。「石のスープ」の場合、お話を現実に再現できます。退屈しのぎというだけでなく、現実世界での力にもなります。

フラン・ストーリングスさんはこの話を、地域社会のあり方を考える話として語ることもあるそうです。

「ひとりひとりの力は小さくても、みんながほんの少しの技術と材料を持ち寄れば大きな仕事ができる」

お話が現実になるなんて素敵だと思いませんか?実際に「石のスープ」を作らないまでも子どもに話してあげてほしいお話です。

盛り上がってしまうこともあるので寝る前などは避けたほうが無難です。子どもが飽きたり退屈した時に、ぜひ遊べるお話で遊んでみてください。

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