子供に嫌いな友達がいる場合、無理に遊ばせなくてもいい理由
どんな性格の子どもでも一人や二人苦手な友達がいるものです。そんな事言わずに仲良くしないといけないよ!とお子さんに伝えている親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
確かに、大人の場合は渋々無理して相手をすることもありますよね。
しかし、幼い子どもに「だれとでも仲良く」を強要することは子どもにとってどうなんでしょうか?気の合う子もいれば、一緒に遊びたくないような子もいて当たり前のように思います。
体裁を気にして気乗りしない友達とも無理に遊ばせていませんか?「嫌いな子」と我慢して遊ぶことは子どもにストレスがかかります。
ちゃんと自分とどこが違うから嫌いなのかを認識することで、自分のアイデンティティーが形成されるということについてお伝えします。
嫌いな友達と、自分の違いを感じることは大切
大人は苦手な人ともそれなりの関係を築く方法を知っていますが、幼い子どもは正直ですから、嫌いなものは嫌いで片付けてしまいますよね。
無理して相性の合わない子と遊ばなくても、この子は好き、この子は嫌い、という違いを子どもが認識することは決して悪いことではありません。
子どもは本能的に好き嫌いを感じている
子どもは相手の見た目や言葉使いに限らず、一緒に遊んでいて心地いい友達と、自然といつも一緒になるようになります。
一方的にベタベタと寄り付かれる場合もありますよね。相性が合えば問題ありませんが、そうでもない場合は子どもでもうっとおしいと感じて避けてしまうようになります。
大人のように「嫌われるのは困る」「仲間はずれにされるのはちょっと…」と損得勘定で賢くお付き合いができるわけではありませんので、露骨に顔に出てしまうかもしれませんね。
しっかり自分の意見を言える子は、「今は遊ばない」「あっち行って」と防御することもします。そんな時、親は「意地悪言わないで一緒に遊びなさい」とか言ってしまいがちです。
でも、子どもは本能的に肌が合う合わないを感じとっている場合もあるのです。無理させて一緒に遊ばせてもストレスになってしまう場合があるのでその子にとってしんどいと言えます。
子どもにだって大人と同じように相性がある
ママ友だってお互いの相性がありますよね。子ども同じように友達との相性があります。それは家庭環境の違いも大きく影響しています。
おもちゃを使うときに順番が守れる子と、自己中心的で周りの子達に気がいかない子もいます。
室内でゲームばかりで盛り上がる子と、外で走り回って遊びたい子。自分の話ばかり自慢する子や、うまくコミュニケーションのとれない子もいます。
そんなそれぞれの個性は、家庭の教育であったり、培われた性格であったりします。やはり似たような感覚の子たちと遊ぶようになるかもしれません。
あるいは、全く真逆のタイプの友達を羨ましいような気持ちで好きになるかもしれません。
心配しなくても嫌いな友達より好きな友達の方が圧倒的に多いはずですよ。
自分のアイデンティティーの基礎部分を作っている
「○○くん○○ちゃんとは一緒にあそびたくないな・・・」と、嫌いな子を認識することで、自分とどこがどう違うから腹が立つのか、嫌な気持ちになるのかがわかってきます。
うちの息子が小さい頃、4人ほどでお友達の家にお邪魔したら、ずっとテレビゲームを上手な子が独占していて「面白くないから帰ってきた」といったこともありました。
晩ご飯の時に詳しくそのことを聞いてみたら、「みんなその子がゲームしているのを見ているだけやねん。」
「外の公園に行こうと誘っても無視されたから、もういいねん。あの子と遊んでも面白くない」とサバサバした様子でした。
小さいなりに、自分とは遊び方、楽しみ方が違う。「自分は自分、人は人」と、違いを理解し始めているんだと思いました。
「自分とは違うな~」「自分だったらこうするのにな~」と合わない友達と自分を比較して、自己を固めていく基礎的な時期と言えるでしょう。
幼児期の子どもの友達関係は心配しなくても大丈夫!
「お友達とケンカしたらどうしよう…」とか、「どうも、娘は友人が少ないみたい…」と気になる親御さんもいらっしゃると思いますが、そんなに心配はいりませんよ。
子どもの性格によっては、誰とでもフランクにつき合っていけるタイプの子もいれば、いつも決まった少数の友達と遊ぶ子もいます。
ケンカについては、幼児期はあまり後を引きませんし、ケロッと仲直りもできます。幼稚園の先生に一言ケンカしたようだと伝えておくとうまく取り持ってくれます。
嫌いな友達がいることを認めてあげて
子どもが嫌いな友達のことを口にしたときは、「そうなのね。また遊びたくなったら遊べばいいよ。」と受け止めてあげてください。
どんなところが嫌いなのか聞いてみると、子どもの好き嫌いの尺度がわかっていいかもしれません。
荒っぽい子が嫌なのか、ルールを守らない子が嫌なのか、返事もしてくれないような子が嫌なのか…
でも、嫌いだと思っている子にもいいところがあると思いますので、「いいところはないのかなぁ?」と尋ねてみてあげるといいですね。
「みんなと仲良くしなさい!」は言わないで
みんなと仲良くしなさいと言われると、子どもは嫌いな子がいた場合、どうしたらいいのか悩みますしストレスがかかります。
大人で言うところの「八方美人」のように振舞わせるのは難しいでしょう。気の合う友達と毎日楽しく過ごすことがまずは大事だと思います。
子どもの友達関係は、その時々で入れ替わりも頻繁にあります。席が隣になった。音楽会で同じ楽器を練習したなど、些細なことで仲良しさんが変わるのも特徴です。
親は子どもの友達関係に口出ししない方がベター
子どものケンカやもめ事に親がしゃしゃり出るのはトラブルの元です。子どもの話を聞いてやり、幼稚園の先生にも伝えておくのがいいでしょう。
「仲直りはどうするの?」とさりげなく気持ちの整理をさせてあげてください。理由も聞かず謝ることを強要するのは考えものです。
何が原因でケンカになったのか、自分は悪くないのか、このままでいいのかなど、順序だてて考えさせてあげましょう。
もし、遊んで欲しくない友達がいても親は大人の対応で!
まれに「親の顔が見てみたい」と思うほどの行儀の悪い子がいたりします。あまりにも口悪く罵るような子であったり、よその家の冷蔵庫を勝手に開けて食べる子など…
家庭が違えば躾も違います。驚くような行動を見かけることもあるでしょう。「我が子と一緒に遊ばせたら悪い影響を受けそう…」と思うかもしれません。
そんな時でも、子どもと同じレベルで感情的に文句を言ったりして怒らず、しっかりと大人の対応レベルで注意しましょう。
「よその家の冷蔵庫は勝手に開けてはダメなのよ。閉めなさい。」と、声は穏やかに、でもキリッと言うべきでしょう。
「注意したらその子の母親が逆ギレしてくるかも…」と、トラブルにならないか心配ですよね。
もし逆ギレしてきたら「今度からは外遊びするように、うちの子に言っておきます」と伝えましょう。
謝る必要もありませんし「親同士は付き合う必要なし」と判断し、子ども同士は自由に遊ばせても家に入れなければいいのです。
我が子にはその子の家に入ることはやめさせ、確認のためどんな様子で遊んでいるのか聞いておいたほうがいいかもしれません。
様子を聞いて、どうしても遊ばせるのは怪我などのリスクが高いということなら、まずは園に相談してみましょう。
それでも改善されないようでしたら、各家庭の判断で構わないと思います。ただし我が子への伝え方は慎重にお願いしますね。
例えば、「○○くんのママとお話したら、もっと他のお友達とも遊ばせたいらしいから、しばらく○○くんと遊ぶのはやめてあげようね。」などとやんわり話してあげてください。
乱暴な友達の対応には身の守り方を教えておこう
暴力的な子はやっかいです。どこでいつ何時、暴力を振るうかわかりません。これは、我が子に身の守り方を教えるしか手がありません。
動きが乱暴な子は、言葉も荒っぽいものです。機嫌が悪そうだったり、手を挙げられそうになったら逃げるしかありません。
それと、距離をとりあまり近づきすぎないことです。
「叩かないで!」とはっきり子どもに言わせることも大切です。
「痛いからやめて!」と言われれば、その子も手を引っ込めるかもしれません。嫌なことは嫌とはっきり言える強さと、いいよと許せる優しさを身につけさせたいですね。
これがしっかりできないと、成長に従ってずるいことを覚えた、ちょっとませたお子さんにいいようにやられる可能性があります。
ただし、発達障害など支援の必要な子どもに叩かれたりするような場合は、先生に気にかけて欲しいと必ず申し出ましょう。
子どもにもわかるような適切な説明をお願いしておくと対応していただけます。親が詳しく知らないまま、差別的なことを子どもに言わないようくれぐれも心がけてください。
大きくなってアイデンティティークライシスにならないために
自分で評価することや、自分と他者との違いを理解できないと、「自分って何?」「何がしたいかわからない」「何が出来るかわからない」という事態になります。
そうならないためにも、アイデンティティーを掴むきっかけを幼児期に経験させておくことが大切です。
幼児期から小学校にかけて、「価値観の違い」や「自分で違いを認めることができる子ども」に育てましょう。
子どもに自分で選択する癖をつけさせよう
これはやるのかやらないのか、そこに行くのか行かないのか、何事も自分で考えさせる習慣をつけるのが理想的ですね。
答えを先に用意するのではなく、親は相談に乗ってあげたり答えを導き出すサポートをしてあげるといいでしょう。
子どもが考えているときは急かさないよう注意しましょう。そして子どもが出した答えをできるだけ尊重してあげてください。
あやふやな意思のない状態から、しっかり意見を持てる子どもに育てるには、親が構いすぎず、子ども自身に選択させ、気持ちを話させ、受けとめることが大切です。
子どもを信じてあげて!仲のいい友達を自然と選ばせてOK
幼児期の人間関係は、どんな人が自分とウマが合って、どんな人とは楽しくないのか、手探り状態なのです。遊んでみないとわからないということです。
いろんなお友達と接するうちに、自然と自分に合う友達を探り当てるでしょう。親が横から口出しせず子ども本人に任せましょう。
子どもの自己評価につながる基礎になる時期ですから、心配なのはわかりますが、子どもを信じて見守ってみましょう。親が思うより子どもは逞しかったりするものですよ。
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