病児保育士になるにはどうすればいいの?関連資格や仕事内容
保育士の仕事先は幅広く、いわゆる通常の保育園だけではなく多岐にわたります。その中の一つが病児保育です。
共働き家庭が増えている現代、病児保育士のニーズは高まっています。働く親にとって、病児保育士はまさに救世主のような存在といえます。
そのため、これからますます病児保育の需要は高まっていくでしょう。
病児保育士とはどんな仕事をするのか、なるために必要な資格、通常の保育園との違いなどについてこれからお話したいと思います。興味を持っている方必見です。
この記事の目次
そもそも病児保育とは?保護者に代わって保育と看護をする仕事!
小さい子どもを抱えながら共働きをしている場合、子どもの突発的な体調不良に頭を抱えてしまうものです。
原則、37.5℃を超える熱が出た子どもを保育園は預かってくれません。しかし、自分も夫もどうしても仕事を休めない…そんなときに保護者に代わって、保育と看護を行うのが病児保育です。
病児保育には、大きく分けて「施設型」と「訪問型」の2種類あります。それぞれについて、説明します。
- 施設型
- 病院などの医療機関に併設していたり、小規模保育園として病児の受け入れもしている所などがあります。病院内の施設の場合、医師や看護師とすぐに連携が取れる環境なので、保護者も安心できます。病児保育はこの施設型が多いです。
- 訪問型
- 保育士が子どもの自宅まで訪問します。体調が悪い子どもを外に連れ出す必要がなく、子どもにとって慣れた場所で過ごすことができます。子どもにとって負担が少ないのがメリットです。
病児保育士になるには
医療関係の専門的な資格がないといけないと思いがちですが、特別な資格は不要です。
「病児保育士」という資格は存在しない
病児保育士とよばれる正式な国家資格があるわけではありません。病児保育をしている人のことを「病児保育士」と呼んでいます。
保育士資格を持っていれば、原則病児保育士として働くことができると思っていて問題ありません。ただし、病児保育ならではの知識は求められます。ときに救急対応も必要なので、勉強は欠かせません。
- 認定病児保育スペシャリスト
- 日本病児保育協会が認定する民間資格です。保育士資格がなくても受験できます。「病児保育」に関する資格です。
受験資格は次のとおりです。
- 高校を卒業している18歳以上である
- 認定病児保育スペシャリスト資格取得web講座を修了している
- 24時間の実習を修了している
未経験の場合で病児保育士を目指したい場合は、受験資格もクリアしやすく、取得までの期間も比較的短いこちらがおすすめです。
- 認定病児保育専門士
- 全国病児保育協議会が認定する民間資格です。保育士または看護師が対象となります。
受験資格は次のとおりです。
- 全国病児保育協議会の会員であること
- (一社)全国病児保育協議会加盟施設に常勤として 2 年以上勤務している。または、非常勤として 2 年以上施設に勤務し、週 20時間以上の実働を有する
- 施設長から(一社)全国病児保育協議会所定の「施設長推薦状」において、推薦を受けることのできる者
- (一社)全国病児保育病児保育協議会が開催する「病児保育専門士認定講座」をすべて受講した者
- その他、施設長が以上の条件と同等に値すると思われるものを推薦し、なおかつ受験資格認定委員会で承認された者
実務経験など受験資格を満たしている場合は、こちらがおすすめです。転職の際にもプラスに働くこと間違いなしです。
学生時代から病児保育に興味があるなら、学校で学んでおくのがおすすめ
学生時代から病児保育士に興味がある場合は、「病児保育コース」などを設けている専門学校や短期大学を選択すると良いでしょう。4年制大学であれば、病児保育についてのカリキュラムが組まれていることが多いです。
小児医療や小児看護について深く学ぶことができます。
病児保育と通常保育の違い
病児保育と通常の保育との一番の大きな違いは、体調が悪い子どもと過ごすことです。
どのような違いがあるのか具体的に挙げてみます。
働きながら小児医療の知識が身につき、スキルアップできる
保育全般に置いて、より専門スキルが必要となります。通常の保育園であっても、保育中に体調を崩してしまう子どもがいるので、そのときには子どもの看護をすることになりますよね。
病児保育はそもそも体調を崩している子のケアにあたるので、通常の保育園以上に子どもの様子に気を配ることはもちろん、そのときどきの状況にあった適切な対応を迅速に行わなければいけません。
病児保育士として働くうちに、小児医療等の知識が身につくのでスキルアップを考えている人にはおすすめしたいです。
激しい運動がなく、体力を大きく消費しない
病児保育の場合、通常の保育園とは違って激しい運動をすることがありません。体力面で不安を抱えている場合も、病児保育ならそこまで心配はいらないでしょう。
自身の体調管理は肝要
病児保育士として働きたいなら、体調管理をしっかりしておくのが、非常に大切です。
通常の保育園で働いていても、子どもから病気をもらってしまうことの多い保育士ですが、さらにその可能性は高まります。
また、保育士自身の体調が悪くなると、免疫力が下がっている子どもたちにうつしてしまう可能性もあり、大変困ります。体調管理も仕事のうちといえます。
行事、イベントがほぼない
通常の保育園は、イベントや行事が多いですよね。そんな行事やイベントの前後などは、準備作業で追われることになる保育士。さらに仕事を持ち帰ることになって、自宅に帰ってからも休めない…ということもあります。
病児保育の場合は、イベントなどの特別な業務はほぼなく、そういった負担は少ないといえます。心に余裕をもって業務に就くことができます。
給与面は少し高め
通常の保育園と比べ、月給はやや高く設定されていることが多いです。医療機関に併設されている施設型の病児保育は、医療機関から給与が支払われている形となり、賞与や福利厚生が充実しています。
病児保育士のメリットデメリット
先ほど通常の保育園と病児施設の違いを説明しましたが、これらをまとめるとメリット、デメリットが見えてきます。
- メリット
-
- 体力面の負担が少ない
- 残業が少ない
- 給与が高め
- 基本的に土日祝が休み
最大の魅力は、子どもに寄り添い、体調が悪く元気がなかった子どもが回復していく姿を見守ることができること。保護者からも感謝され、非常にやりがいを感じられますよ。
- デメリット
-
- 病児を預かる分、責任が重い
- 自分自身が感染症にかかるリスクが高い
- 子どもの体調が急変する恐れが常にある
最も大変なことは、子どもの体調が急変する場合があることです。いつどんなときに子どもの様子が変わるかわからないという緊張感が常にあります。そういった責任の重さにプレッシャーを感じることは少なくありません。
病児保育士の求人は人材紹介サービスを賢く活用しよう
病児保育士の仕事は人気が高く、求人数はあまり多くないです。
キャリアアドバイザーさんとやりとりを行い、その人に合った求人を紹介してもらえる仕組みになっています。自分の希望を細かく伝えることで、入職後「こんなはずじゃなかった…」というようなミスマッチの可能性も低くなります。
自分で一から探すよりも効率が良いですよ。
高い志を持って、病児保育士を目指そう
大変なことも多い病児保育士ですが、その分社会貢献度も高い魅力のある仕事です。高い志を持って、ぜひ目指してみてくださいね。
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