流産・死産を繰り返す不育症。不妊症との違いや特徴
流産・死産を経験後に、原因などを調べていると「不育症」という言葉に出会うことがあります。医師から不育症の検査を勧められることもあります。
不妊症とは違うのか?など、不育症についてお話しします。
この記事の目次
不育症は妊娠はするけど流産・死産を繰り返す症状
2回以上流産を繰り返した場合を一般的には不育症と診断されますが、何回流産を繰り返した場合を、不育症とするのかの定義は実はまだ決まっていません。
- 不育症とは
- 妊娠はするけれど、流産・早産または死産を繰り返し、結果的に出産まで至らない症状のことを言います。
- 不妊症とは
- 夫婦生活を2年間以上避妊せずに行っているのに、妊娠しない状態を言います。
どんな時に不育症が疑われるの?検査はした方がよいのか
下記のような場合は、不育症の検査を勧められ、検査結果によっては治療が必要になるケースもあります。
- 習慣流産(3回以上連続して流産を繰り返す)
- 反復流産(流産を連続で2回繰り返す)
- 1回以上の妊娠10週以降の流・死産
習慣流産には「原発性習慣流産」と「続発性習慣流産」があります。
- 原発性習慣流産
- 最初の妊娠から連続的に、流産を繰り返す状態を言います。
- 続発性習慣流産
- 1人以上赤ちゃんを出産した後に、流産を繰り返す状態を言います。
1人目を授かった後に流早産・死産を繰り返す場合も「続発性不育症」が疑われ、検査を勧められる場合があります。
▼不育症検査を受ける時期についてはコチラも参考にしてみて!
生化学的流産を繰り返す場合も不育症が疑われるのか
通常、生化学的妊娠(妊娠検査薬や血液検査で妊娠反応が陽性になったが、胎嚢や心拍が確認されていない時点での流産)は、習慣流産や反復流産にカウントされません。
その理由は、生化学的流産は何の問題のない健康なカップルでも、約40%の高い確率で起こっているためです。
▼化学流産についてはコチラも参考にしてみて!
どうして不育症になってしまうの?不育症の原因
はっきり原因が分からない場合もありますが、分かっている場合のリスク因子は下記になります。
- 不育症の主なリスク因子
-
厚生労働省研究班「不育症治療による再評価と新たな治療法開発に関する研究」のデータでは、下記のようなリスク因子が挙げられています。
- 子宮形態異常 7.8%
- 甲状腺異常 6.8%
- 両親のどちらかの染色体異常 4.6
- 抗リン脂質抗体症候群 10.2%
- 凝固因子異常として第Ⅶ因子欠乏症 7.2%
- プロテインS欠乏症 7.4%
- プロテインC欠乏症 0.2%
- 偶発的流産・リスク因子不明 65.3%
妊娠初期の流早産の殆どのケースが受精卵の染色体異常によるもので、特に問題のないカップルでも偶発的に流産を繰り返す場合があります。
▼不育症になるリスク因子についてはコチラも参考にしてみて!
流産率が高くても赤ちゃんを授かる可能性は高い
不育症の検査をしても、原因を特定できないこともあります。原因が分からず流産を繰り返す症状の場合、偶発的な流産の可能性もあり妊娠する確率も高くなります。
要因がはっきりしない場合でも、臨床心理士や産婦人科医によるカウンセラーを行いストレスや不安を減らすことで、妊娠しやすくなるということも分かってきています。
- 要因が分かった場合は要因に対する治療を行う
- 要因が分からなかった場合はカウンセリングも有効
- 何もしなくても自然妊娠し出産できることも多い
厚生労働省研究班の報告によると、検査および検査結果にあった治療をしていくことで、80%という高い確率で出産まで至ることができたとされています。
まずは不育症の検査ができるか主治医と相談し、出来ない場合は専門の医療機関を紹介してもらうなどしてみて下さいね。
▼不育症の治療法や対処法についてはコチラも参考にしてみて!
不育症でも出産はできると前向きに
不育症と診断された後でも検査・治療後、または自然に、高い確率で出産まで至ることが分かってきています。
不育症と診断されたら…。
- 不育症の検査が出来る医療機関を受診し検査する
- 検査に見合った治療をする
- 必要に応じて夫婦でカウンセリングを受ける
MARCH(マーチ)では、妊娠や子育ての先輩たちが、ためになる情報を毎日配信しています!新米ママ&パパはぜひご覧ください♪
まだデータがありません。