妊婦の吐きつわりの原因と症状は?何でも吐きそうで辛い…
吐きつわりは妊婦の50%~90%の人が経験しているというデータがあります。
ただし、吐きつわりは入院を要する人から日常に全く支障をきたさない程度の人まで様々です。つわりは5~6週くらいにはじまり11~12週で終わるのが一般的。
「どこまで続くのか。」と悲観的になりそうなときは、約1~2か月の辛抱だと奮い立たせてください。吐きつわりの具体的な症状を見ていくことにしましょう。
吐きつわりの具体的な症状
吐きづわりとは「食べる食べないに関わらず吐き気を感じ、食べれば吐いてしまう状態」です。
吐き気と嘔吐
吐きづわりの中で吐き気・嘔吐は比較的多い少々です。体験談では「水を飲むのもつらい」ほど症状が重い人から、「日中は比較的楽に過ごせる」人など個人差があります。
実際に吐いてしまう場合と吐き気だけで治まる場合があり、前者は注意が必要です。
吐くことを繰り返すと胃が弱ってさらに食べられなくなり脱水症状や飢餓状態の危険があるからです。つわりで入院する妊婦さんのほとんどがこのケースに当てはまります。病院での処置は点滴による栄養補給です。
- 匂いで吐き気
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つわりの時期、匂いに敏感になる妊婦さんがいます。代表的なのが白米の炊き上がった匂いです。炊飯器を開けた途端トイレに駆け込まざるを得ないことも。
つわり時期の妊婦さんを悩ませるのは食べ物の匂いだけではありません。
生活臭といわれるもの。例えば、たばこの匂いや空調の匂い、お風呂場など湿気のこもった場所で発生する匂いなどです。普通の状態なら気にもとめないようなかすかな匂いをも敏感に感じ取ってしまうことがあるのです。
- 目から吐き気
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実際に食べたわけでもなく、匂いを感じたわけでなくても、ただそのものを見ただけで吐き気をもよおす人もいます。
つわりの時期には、始終胃がむかむかした状態で食べれば吐いてしまうことを繰り返しているうちに、見ただけで脳が反応してしまうことも。
無理に食べようとすることが逆にストレスとなり、悪循環に陥っているのかもしれません。見ただけで吐き気を感じるほど気分が悪い時は、ひとまず横になって身体を休めましょう。つわりの時期は、妊婦さんに体力的にはもちろん精神的にも大きな負担がかかります。「数か月の我慢だ」と言い聞かせながら気負わず過ごしましょう。
頭痛やめまい
吐きづわりの症状は吐き気以外にも、頭痛やめまいがあります。ずきずきとした痛みやジーンと重い痛みなど、痛みの種類や感じ方には個人差があります。
ただ、妊娠中には薬の服用ができないこともあるので症状の改善が望めなくて厄介です。マッサージやツボ押しなどで緩和を図るしかありません。
唾液過多症
通常の大人の唾液は1~1.5リットルほどですが、つわり中には自分でも呑み込めない程の量の唾液がでることがあります。よだれつわりとも呼ばれます。
大量の自分の唾液が原因で吐いてしまうことも。飴や氷を舐めることで多少、症状を緩和することができます。また、胃を冷やすと胃酸の分泌が促されて唾液過多になりやすいです。
症状が軽いうちはお腹を温めながら、飴や水分でしのぎましょう。
喉の不快感
嘔吐の繰り返しにより消化器官が傷つき、喉に不快感がのこる場合があります。時には血を吐く人もいます。
「水を飲んでも喉がぶよぶよした感覚」「ごろごろと変な音がする」「かすかな痛みを感じる」などの違和感です。
便秘と下痢の繰り返し
嘔吐を繰り返すことにより体の中の水分が不足して、便秘になったかと思えば胃腸の弱りから下痢になるの繰り返しのことがあります。
便秘と下痢の原因はいずれもつわりによる嘔吐で胃腸や消化器官が弱ってしまったことがあげられます。
また、ホルモンバランスの変化も下痢や便秘を引き起こす要因となります。良く言われていることですが冷えは妊婦さんの大敵です。足先や指先から温める生活をしましょう。
不安定な精神状態
嘔吐や吐き気の繰り返しから精神的に追い詰められる妊婦さんも少なくありません。
そうでなくともホルモンバランスの変化により、妊娠中は精神のバランスを崩しやすい時期です。普段は何ともないことでも、ストレスの耐性が弱くなっている妊娠中にはしんどく感じられるのです。
吐きづわりにより食事が思うように摂れなかったとしても、赤ちゃんの栄養はある程度確保できるような体の仕組みになっていますので、過度の心配は無用です。
心配よりもむしろなるべく楽に楽しく過ごすことの方に重点を置きましょう。つわりと精神の安定は関係性があるとも研究結果があり、リラックスはつわり予防に有効なのです。
胃もたれや胃痛
吐きづわりの際は、嘔吐により胃酸が逆流するので、胃腸や消化器官に大きな負担を与えます。
胃もたれや胃痛を引き起こす妊婦さんがいます。しかし、前にも書いた通り妊娠中には薬の服用が制限されてしまうのです。
冷たいものばかり摂取したり、冷える格好をしていたりすればより症状は悪化します。
吐きつわりはどうして起こる?
つわりにみられる様々な症状。一般的な吐き気、嘔吐以外にも消化器官の不調、めまい、胃のむかつきなど多岐に及びます。
そういった症状がなぜ起こるのか、原因を考えてみましょう。
妊娠により、体内の環境が変化
妊娠により体内の環境が変化したことにより、身体が妊娠に適応できずに起きている現象と考える説があります。
つわりとホルモンバランスが関係しているのではないかという意見です。もし、そうであるならホルモンバランスを整える生活を送ることがつわり予防につながることになります。
妊娠すると大きく変化するホルモンは3つです。
- hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)
- エストロゲン(卵胞ホルモン)
- プロゲステロン(黄体ホルモン)
この3つのホルモンの分泌量が急激に増加します。こういったホルモンバランスの変化が脳に大きな影響を与え、胃腸の機能を弱めることがあります。
特に、エストロゲンの増加はインスリンの効き目を強めます。インスリンとは糖尿病の患者さんの治療に使われているもので、血糖値を下げる働きをします。
妊娠によるエストロゲンの影響で、妊婦さんの身体の血糖値が下がった場合に、中枢神経が刺激されて吐き気やめまいを引き起こすメカニズムです。
例えば、アロマを焚いたり散歩に出かけたり、好きな曲を聴いたりすることが精神面の安定につながります。
健康的な生活とリラックスした状態を保つことがつわり回避の近道でもあるのです。
嗅覚が過敏になるから
前出のエストロゲンの影響は、妊婦さんの嗅覚にも及びます。被妊娠時よりも過敏な嗅覚は不快な匂いを遠くからでも嗅ぎ分けてしまいます。
代表的なのは、白米が炊き上がった匂い。さらには、たばこや人の香水などがあげられます。つわり中は電車のような閉鎖的空間にいられないという妊婦さんも少なくありません。
体臭を含む様々な匂いを必要以上に感じ取ってしまうことで、吐き気をもよおすからです。これに関しては、嫌なものを遠ざける事しか対策のしようがありません。
精神的な影響
ホルモンバランスの崩れから、精神的なバランスを保てないことがあります。訳もなくイライラしたり、そうかと思えば悲しくなって涙したりといった症状は珍しくないのです。
つわりがひどい妊婦さんに病院が行う治療は、一般的にビタミンB6の補給です。口から補給できない時には点滴をします。加えて精神療法を行うことも。
精神科医によるカウンセリングで妊婦さんの精神的安定を取り戻します。つまり、精神のバランスとつわりの症状は密接にかかわるということです。
空腹感によるもの
血糖値が下がると空腹を感じるようになります。すると胃酸が増加して、胃酸過多が吐き気の原因となってしまうことがあります。
急激な空腹を感じた時には上記のケースが予想され、注意が必要です。妊娠中は通常時よりエネルギーを使う手前、急激な空腹に襲われることもあるでしょう。
急激な空腹→ドカ食い→嘔吐のサイクルは胃腸や消化器官に負担を与えるので、避けなければいけません。
後期の吐きつわりは、体重増加による子宮の圧迫
初期のつわりはホルモンバランスによるものですが、妊娠後期に起こるつわりは少し種類が違います。
子宮がどんどん大きくなることにより、内臓が圧迫されるのが原因で起こる症状です。初期のつわりに様な嘔吐は少なく、吐き気やゲップ、胃の不快感などが主な症状です。
つわりに関して解明されていないことも多い
つわりに関して謎の部分が多いため、それぞれの症状の対応策や原因についてはっきり指摘することが出来ません。
医学的な根拠が見当たらないので、妊娠・出産を経験した先輩ママの意見を参考にしてみましょう。
また、体調と気持ちは密接に関係しています。つわり期を方法論に頼り過ぎず気楽に過ごすことも忘れないでくださいね。
▼吐きつわりに効果的な対策についてはコチラも参考にしてみて!
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