流産なった時は保険が使えるの?かかる費用と保険適用範囲

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2017/10/21

流産後に保険や費用について考えている女性

流産になってしまうと辛く、お別れしなくてはいけない赤ちゃんのことや、流産になった理由、自分が出産できるのかと考え込んでしまうこともあります。

辛い時期ですが、それでも、流産で手術や入院をした場合、用意しておく費用についても確認しておかなくてはいけません。

流産になった時の必要な費用と、保険が使えるのかどうか、掛かる費用を軽減できる方法をまとめてみました。

流産手術で健康保険の適用になる場合とならない場合

妊娠・出産に関わる費用は自由診療となるため、基本的には健康保険は適用になりません。そのため、流産費用でも保険の適用とならない場合もあります。

【健康保険適用外の手術】
胎児に問題なく妊娠継続が可能なのにも関わらず、母体保護の目的で母体保護法指定医によって行われる人工流産手術は、保険適用外となります。

ただし、「流産後の流産手術」は健康保険の適用で、自己負担額は医療費の3割になります。

健康保険適用になる流産手術

  • お腹の中で赤ちゃんが亡くなってしまった稽留流産の手術
  • 流産後に子宮内容物が残っている不完全流産の手術

上記の場合は子宮内感染などの、2次感染のリスクを防ぐための手術で、治療行為になるため、健康保険が適用されます。

ただし、差額ベッド代は保険適用外になるため、自己負担になります。

差額ベッド代が必要なケース
  • 自分が希望した場合
  • 同意書がある場合

医師の判断により入院させた場合は、差額ベッド代を負担する必要はなく、負担する場合は同意書が必要です。

また、保険一般加入者の入院中の食事代は一食あたり360円が自己負担になります。

【初期流産手術】一般的な処置では安価な場合が多い

初期流産(妊娠12週まで)の流産手術は、主に子宮内容除去術(掻爬手術や吸引手術)が施されます。

掛かる費用は意外と少なく、個人で入っている医療保険などにより、自己負担額がマイナスになる場合もあります。

初期流産手術に掛かる費用(病院によって異なるので参考まで)
  • 医療費自己負担額(手術費や投薬など)…1万円~3万円
  • 差額ベッド代…1000円~10000円(部屋によって異なります)×日数
  • 食事代自己負担額…一般的に1食360円(2018年から460円)

初期の流産手術は特にトラブルがなければ、日帰り入院や1泊2日の入院、多くても2泊3日くらいです。そのため、トータルで5万円以内に収まる場合が多いです。

保険適用外の検査や治療を受けた場合は、費用が高くなる場合もあります。医療保険が適用になれば、負担額より収入が多くなることもあります。

【後期流産手術】費用は出産と同じくらい高額になる

妊娠12週0日以降の後期流産の場合、初期流産の流産手術よりも費用が多く掛かります。

流産手術は出産方式になるため高額に!

後期流産は分娩と同じ形式を取られることが多く、流産による分娩術は分娩介助料として請求され、分娩介助料は健康保険の適用外になります。

分娩料
正常分娩の場合の医師の技術料と看護料の総称
分娩介助料
分娩時に異常が発生し、入院や産科手術が保険給付の対象になっている場合の助産師の介助とその他の費用の自費分

分娩介助料は正常分娩時に請求される分娩料と比べると、高額になる場合もありますが、妊娠週数、病院によって異なるため、事前に確認しておくことをお勧めします。

後期流産手術に掛かる費用(参考まで)
  • 医療費自己負担額…5万円~20万円
  • 差額ベッド代…1000円~10000円(部屋によって異なります)×日数
  • 食事代…一般的に1食360円(2018年から460円)
  • 分娩介助料…10万円~30万円くらい
保険適用外の検査や治療を受けた場合は、その分費用はプラスされます。後期流産手術で掛かる費用は、出産費用と同じくらいと考えておいた方が良いです。

死産扱いのため火葬の費用も必要になる

後期流産は死産扱いになるため、病院から「死産証明書」をもらい、役所に「死産届」を提出する必要があります。

死胎火葬許可交付申請書を記入し、役所から「火葬許可証」をもらって、火葬場へ予約をし、火葬をしてもらわなくてはいけません。(分娩後24時間過ぎてから)

火葬が終わると「埋葬許可書」がもらえます。

考えなければいけないこと
  • 火葬だけか葬儀をするのか
  • 葬儀をする場合どこでするのか
  • 納骨するかどうか
火葬費や葬儀費用も葬儀社や斎場によって違います。火葬場によっては、小さな赤ちゃんの骨が残らない場合もありますので、事前に確認しておくことが大切です。

流産手術の費用を軽減できる方法

流産の手術は保険適用になる場合が多いですが、後期流産や他にトラブルがあった場合、高額になってしまう場合もあります。

流産費用を軽減できる方法を紹介します。

  1. 医療保険から給付金が支払われる場合もある
  2. 後期流産は死産扱いのため出産一時金が支給される
  3. 後期流産は健康保険から出産手当金が支給される
  4. 【高額療養費】医療費の保険適用分が高額になった場合に還付される
  5. 【医療費控除】確定申告で還付金がもらえる場合も

医療保険から給付金が支払われる場合もある

流産手術の手術費や、その後の入院費が、個人で入っている医療保険の対象になる場合があります。

  • 手術給付金
  • 入院給付金
  • 女性特約

入っている保険によって支払われる内容は違います。保険契約時に渡された「約款」を確認するか、保険会社に確認を取ってみて下さいね。

保険担当者によっては、給付の対象になるか判断が出来ない場合があり、担当者に支払い対象外と言われても、本社に確認をすると対象となった事例もあります。

給付金は手術1回○万円、入院日数×〇円などの設定が多く、掛かった費用以上に支払われる場合があります。

医療保険を請求する場合に必要なもの
  • 診断書(保険会社指定の用紙)
  • 保険会社への請求書類

保険給付金を請求するためには、医師の診断書が必要です。必要になる書類は保険会社によって異なります。診断書を請求する前に、保険会社に確認をとってみましょう。

医師に診断書を書いてもらう費用は病院によって異なりますが、一通につき2000円~5000円くらいの病院が多いです。

複数の保険に加入している場合は、それぞれ保険を請求できる場合が多いですが、保険会社ごとに診断書が必要になります。

給付金を請求すると、赤ちゃんに申し訳ない気持ちになる事もありますが、次の妊娠に繋げる前向きな資金と考えて確認をしてみて下さい。

後期流産は死産扱いのため出産一時金が支給される

妊娠85日(4ヶ月)以後に流産をした場合は、出産一時金の対象になり、被保険者と被扶養者が協会かんぽ支部に申請することで支払われます。

在胎週数が22週に達していない場合は、一児につき40万4千円が支払われます。(双子の場合も一人につき)

「出産一時金直接支払制度」を利用すれば、医療機関の窓口で支払う金額が少なくなります。制度が利用できるか医療機関に確認をしてみましょう。

また、出産一時金よりも掛かったの方が費用が少ない場合は、差額を受け取ることができます。

後期流産は分娩介助料など、健康保険の適用にならない費用も発生し、支払額が高額になるため、出産一時金をもらえると助かりますよね。

健康保険から出産手当金が支給される

後期流産の場合は、産後8週間は働かせてはいけないことになっています。本人の希望があり医師が承諾すれば、産後休業期間を6週間にすることもできます。

流産手術後に8週間も働けないと収入の事も心配になってきますよね。

被保険者が出産のために事業主から報酬を受けられない場合は、健康保険から、出産手当金が支給されるようになっています。

流産した日以前の42日と、その日の後56日間について、働いていなかった期間が対象になるため、流産手術を受ける前の期間についても申請できます。

※出産手当金は、会社の健康保険組合や公務員の共済組合から支給されるため、自営業などの国民健康保険からは支給されません。

▼出産手当金についてはコチラも参考にしてみて!

【高額療養費】医療費の保険適用分が高額になった場合に還付される

一ヵ月分の「医療費保険適用分の自己負担額」が高額になった場合、申請すれば医療費が還付される場合があります。

所得区分 年収約370~約770万円の場合
ひと月あたりの自己負担限度額=8万100円+(医療費-26万7000円)×1%
高額医療費払い戻しの例
医療費の総額が100万円で自己負担額が30万円の場合の自己負担限度額は…。
8万100円+(100万円-26万7000円)×1%=8万7430円

上記の計算になり、30万円から8万7430円を差し引いた21万2570円が払い戻されます。

後期流産の費用は高額になる場合が多く、出産一時金でも賄えない場合があります。高額療養費が適用されるかどうか、確認してみることをお勧めします。

【医療費控除】確定申告で還付金がもらえる場合も

医療費控除は医療費が多くかかった年に、医療費の負担額を軽減するために、支払った税金から、掛かった医療費の一部を控除する制度です。

1月から12月に掛かった医療費(家族も含む)の支払額が10万円を超えた場合、超えた金額をその年の所得から差し引くことが出来ます。

医療費から差し引かなくてはいけないもの
  • 出産一時金
  • 高額療養費
  • 医療保険など保険給付金を受けた金額
医療費から差し引かなくても良いもの
  • 出産手当金
  • 傷病手当
  • 死亡保険金、重度傷害保険金、休業補償金など
医療費控除は家族全部の医療費なので、流産でかかった費用や他の病気でかかった費用も合算して申請できます。

流産費用は高額になる場合も!もらえるお金も確認しよう

初期流産は比較的費用が低額ですが、後期流産は出産と同じくらい費用が掛かります。流産だけでも辛いのに、費用の支払いもとなると金銭的にも辛くなってしまいます。

申請すれば掛かった費用を賄える場合もあるので、まずは確認をしてみましょう。でも、掛かった費用以上にお金がもらえると、罪悪感を持ってしまう方もいますよね。

その場合は、次の妊娠のための費用に充てたり、気分転換をするお金に使ったり、たちまちの生活のために使うにしても、前向きになるために必要なお金と考えて下さい。

流産手術にかかる費用のことまで考えられない状態とは思いますが、心の負担と金銭的な負担が少なくなるよう、掛かる費用ともらえるお金も確認してみましょう。
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