切迫流産と診断されたら入院の可能性も!診断後の生活と処置法

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2017/08/29

切迫流産と診断された女性が安静にしている様子

妊娠が分かった後に切迫流産と診断されると、せっかく授かった赤ちゃんがいなくなってしまうのではないか不安になってしまいます。

切迫流産と診断されても、無事に元気な赤ちゃんを出産された方もたくさんいます。

切迫流産と診断された後の過ごし方、入院の可能性がある状況、診断後の生活について説明します。

【自宅安静】緊急性がない・入院できない理由がある場合

切迫流産になると緊急性がない場合は、自宅安静を言い渡される場合が多く、自宅で安静にできない場合は、申し出により入院措置が取られる場合もあります。

また、入院安静の必要があっても他の子供がいる場合など、自分の意思で自宅安静を選択される人もいます。

妊娠12週までの自宅安静は経過観察の意味合いも

妊娠12週の出血は流産の危険がある状態なのか判断できないことが多く、切迫流産と診断されます。

この時に、感染症や母体の合併症など原因がはっきりしている場合は、その原因に対しての治療が行われる場合もありますが、殆どの場合が安静を指示されます。

自宅安静を指示される理由
  • 医療措置による効果が期待できない
  • 有効な薬剤がない
  • 子宮内トラブルによる出血は安静が有効

12週までの流産は胎児の染色体異常の確率が70%くらいあります。出血の原因が染色体異常や胎児の発育不全、胞状奇胎や子宮外妊娠であれば、安静にすることは無意味です。

絨毛性出血など問題のない出血の場合は、安静にしていなくても流産する可能性も低いです。子宮内に血の塊(血種)がある状態の切迫流産だと、安静が有効的とされています。

妊娠12週までに切迫流産と診断された場合は、医療的措置が取れないため、妊娠継続かどうかの結果待ちということになります。

全く流産の心配のない場合や、安静にしていることで流産が防止できる場合もあります。後悔のないようにベストを尽くすことが大切です。

▼切迫流産の症状についてはコチラも参考にしてみて!

妊娠12週以降の自宅安静は妊娠継続のために重要

妊娠12週までの切迫流産とは違い、妊娠12週以降は流産の原因がはっきりしていて、安静にすることが重要になってきます。

  • 胎児側の要因が減ってくる
  • 母体側の原因がはっきりしてきて医療的措置が可能になる
  • ストレスや過労など環境的要因が流産に直結してしまう
12週以降は安静にすることで、防げる流産が多くなります。安静を指示されたのであれば、ママの体と赤ちゃんの事を優先的に考える必要があります。

自宅安静指示が出た場合の過ごし方

自宅安静が出た場合の過ごし方がについては、切迫流産の状態によっても違うので、医師の指示に従うことが大切です。

切迫流産で自宅安静と言われた場合は、「トイレ以外は寝て過ごす」くらいのつもりでいたほうが良いです。

  • 仕事は休む
  • お風呂はシャワーですます
  • 座るのは食事の時のみ

家にいると気になるのが家事ですが、絶対に安静と言われたのなら、一切やらないくらいのつもりで極力、家族など他の人に協力をしてもらいましょう。

自宅で安静が不可能な場合は、病院やご家族とも相談し、可能なら入院安静も選択肢にいれておくことも必要です。

特に腹部に負担のかかる行動は避けて下さい。異変を感じた場合は、すぐに主治医に連絡するようにしましょう。

妊娠12週までに自宅安静の指示を受けた場合は、なるべく安静にして、立ち仕事はNGでデスクワークならOKと言われる場合もあります。

妊娠12週まででも、絶対安静と指示されたのであれば、極力横になって楽な体制で休むようにしてくださいね。

一度、切迫流産から進行流産を経験した人は、安静の必要性を強く感じる人が多く、初めての切迫流産では家事や仕事を優先してしまう傾向が強いという研究結果もあります。

家事や育児などつい気になってしまい、動いてしまう方が多いですが、赤ちゃんとママの命を最優先と考えて安静にすることが大切です。

【入院】手術・処置が必要・自宅安静が不可能な場合

切迫流産と診断された場合に、入院が必要になる時もあります。入院が必要な状況と、入院中の過ごし方をお話しします。

手術や処置・安静のための入院指示は必要

切迫流産の原因によっては、手術や処置が必要になる場合は入院を指示される場合があります。

主な処置方法
  • 子宮頸管無力症…子宮頸管を縛る手術
  • 子宮収縮…子宮収縮抑制剤を処方(ウテメリンなど点滴)
  • 子宮内感染症…腟洗浄と抗生剤使用
  • 羊毛膜血腫…止血剤・感染予防の為の処置

子宮頸管無力症は子宮頸管が短くなり、子宮口が開いてしまう可能性があるため、手術が必要になります。

お腹の張りが強い場合は子宮収縮抑制剤などで、様子を見るために入院をする場合もあります。

絨毛膜下血種で出血した場合に、止血剤や感染予防のための処置をされ、症状が改善するまで安静のための入院を指示される場合もあります。

妊娠22週までの赤ちゃんは、ママのお腹の中でしか成長することが出来ません。入院を指示されたら必要な治療を受け、安静にすることが大切です。

▼子宮頸管無力症についてはコチラも参考にしてみて!

切迫流産の入院期間は状況により判断される

切迫流産の原因・症状が改善されれば1週間以内で退院できる場合もありますが、数か月間入院が必要な場合が多いです。

  • 症状は改善できたかどうか
  • 自宅で安静にできる状態か

主治医が流産の危険がないと判断するまでは、入院が必要な状況と言えます。

入院・自宅安静の選択を任されることも

入院が必要な状態と分かっていても、上のお子様がいる場合は長期入院が出来ない場合もあります。

家庭環境も考えて、最も危険な状態は回避したと判断された場合は、退院できることもありますが、家に帰ると安静は難しいですよね。

入院・自宅安静のどちらを選択しても家族の協力は必要です。お子様とパパに安静にしなければいけない状況を伝えておきましょう。

  • 「お腹の中の赤ちゃんはまだお腹の外では生きられない」
  • 「ママが動くと赤ちゃんが出てきてしまう」
  • 「お家にいてももう少しの間は寝転んだままが多くなる」
入院が必要だけど、自宅安静を選択した場合は家族に協力してもらい、必要であれば地域のサポートや子どもの祖父母に協力をしてもらいましょう。

▼自宅安静時の家事についてはコチラも参考にしてみて!

上の子供の面倒は?入院を選択した場合

入院を選択した場合で上のお子様がいる場合は、ご主人が仕事に行っている間など、お子様のお世話をしてもらう人が必要になります。

  • 祖父母にお願いする
  • 同室入院が可能な病院を探す
  • 保育所に預ける
  • 地域のサポートを利用する(ファミリーサポート制度など)
  • ベビーシッターを雇う

ベビーシッターなどは入院期間が長くなれば、高額になる場合もあります。まずは、祖父母の協力や、地域のサポートサービスが受けられないか確認することをお勧めします。

病院によっては同室入院が可能な場合があります。ご家庭の事情によりどうしても、子供の面倒を見てもらえない場合は、病院に問い合わせをしてみましょう。

ベビーシッターや地域のサポートを利用する場合は、妊娠が分かった時点で顔合わせなどしておくと、急な入院や体調不良でも対応しやすくなります。

切迫流産で入院した場合にどのくらいの費用がかかるのか

切迫流産で入院した場合は長期入院になる場合が多く、どのくらいの費用が掛かるのか気になりますよね。

入院中に必要な費用
  • 医療費(治療費)…自己負担額限度額(高額療養費制度を利用)
  • 部屋代(差額ベッド代)…(1000円~10000円くらい)×入院日数
  • 食費…食事代の自己負担額は一般的に一食360円(2018年から460円に値上げ)

差額ベッド代は病院、個室か大部屋かによっても、金額に大きく開きがあります。生命保険や医療保険で賄える場合もあるので確認をしてみましょう。

大まかにはこの3つの項目に分けることが出来ます。医療費については高額療養費制度や妊産婦医療費助成制度を利用すれば、自己負担額は軽減されます。

高額療養費制度や妊産婦医療費助成制度を利用できるのか

医療費は治療内容によって金額は変わってきますが、高額療養費制度で上限が設けられているため、個人が支払う金額はほぼ一定になります。

負担額が自己負担限度額を超えていれば、高額療養費制度を使用することが出来ます。事前に医療費がどのくらい掛かりそうか確認しておきましょう。

【高額療養費制度を使用した場合】

所得区分 一ヵ月の医療費自己負担限度額
標準報酬月額83万円以上 252,600円+(総医療費-842,000円)×1%
標準報酬月額53万~79万円 167,400円+(総医療費-558,000円)×1%
標準報酬月額28万~50万円 80,100円+(総医療費-267,000円)×1%
標準報酬月額26万円以下 57,600円
被保険者が市区町村民税の非課税者等 35,400円

全国健康保険協会ホームページより

入院が1カ月以上にもなると医療費も高額になり、申請すれば戻ってくるとはいえ、一時的に支払うのは大変ですので、事前申請を利用することをお勧めします。

健康保険限度額適用認定申請書
  1. 「健康保険限度額適用認定申請書」を書いて、事前にけんぽ協会の各都道府県支部に提出します。
  2. けんぽ協会から「限度額適用認定証」が送られてきます。
  3. 交付された「限度額適用認定証」を保険証と一緒に窓口に提出すれば、限度額を超えた医療費を窓口で支払う必要はなくなります。

※詳細は全国健康保険協会ホームページ「医療費が高額になりそうなとき」を参照して下さい。

【医療費の請求額が100万円・標準報酬月額28万~50万円に該当する場合】

80,100円+(1,000,000-267,000)×1%=87,430
912,570円はが助成され、医療費の自己負担額は87,430円となります。

窓口で支払うお金(上記の例の場合)
  • 限度額適用認定証を申請した場合…82.430円+差額ベッド代+食費
  • 申請していない場合…300,000円(3割負担の場合)+差額ベッド代+食費

それぞれの月で清算する必要があるため、月を跨いでしまうと医療費の自己負担額は高くなります。

【例えば、6月20日~7月10日までの入院した場合】

6月度の医療費の請求が500000で7月度の医療費の請求が500000だとすると…。

80,100円+(500,000-267,000)×1%=82,430
82,430×2ケ月分=164,860

同じ入院期間でも上記の場合は、医療費の自己負担額は164,860円になります。

妊産婦医療費助成制度を利用すれば、自己負担額が安くなる場合もります。

妊産婦医療費助成制度
医療費の自己負担額についても自治体が負担してくれる制度

妊産婦医療費助成制度は各自治体が独自で実施しているものなので、実施していない自治体もあり申請方法も異なります。

妊産婦医療費助成制度があるのか、申請方法についてはお住いの自治体の窓口に問い合わせをしてみて下さい。

自治体が行う妊産婦医療費助成制度は、高額療養費を先に申請し、更にその助成分を差し引いた後の金額に対して、助成されるので注意してくださいね。

入院費がどのくらいになるのか試算しておくこと、個人加入の保険や自治体の助成制度の確認をしておくことで自己負担額を事前に調べておきましょう。

切迫流産の一番の薬は安静…危険が去るまで医師の指示に従って!

切迫流産と告げられると不安になりますが、切迫流産でも心配しすぎは禁物です。妊娠中のストレスは少なからず、胎児にも影響する可能性もあります。

そうかといって、楽観視しすぎるのもNGです。

  • 12週までは赤ちゃんの生命力を信じて安静にして待つ
  • 12週以降は必要な治療をうけ医師の指示に従う
切迫流産と診断されたら、医師の指示に従って安静にすることが一番の薬になります。ママと赤ちゃんを守るために出来る限りリラックスして生活しましょう。
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