企業内保育所を利用して仕事復帰!メリットとデメリットを知ろう

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2018/10/10

近年、日本では女性の社会進出増加と核家族化傾向により、保育園に預けて仕事をする働くママが増えています。その数が多すぎて保育園に入れず、待機児童問題が現実となっています。

そこで働くママの職場に子供を預ける場所、いわゆる企業内保育所があったらどうでしょうか。

育休中のママにとっては保活の心配もなく、早期に職場復帰が約束されているようなもの!とても有り難い存在です。

企業側も優秀な社員が早く戻ってきてくれて助かるほか、働く保育士も比較的高収入を得られるなど三者にとって良いことづくし…。

ただそこには隠された弱点もあるようです。

企業内保育所に預ける社員、預かる企業、双方のメリットとデメリットと、実際どのような企業に設置があるのかも見ていきましょう。

そもそも企業内保育所とは!?

企業内保育所とは企業に勤める従業員のために、企業内もしくは勤務地の近隣に作られた保育施設です。

子供を社内の保育所に預けて働くママといえば、ヤクルトレディが古くから有名ですね。

ヤクルト保育所は全国に1200ヶ所もあり、ヤクルト独自の保育料で企業内保育所として定着しています。

ヤクルトも女性が多く働く企業ですが、企業内保育所は看護師や介護士など女性職員が多い病院等医療施設が現在約6割を占めているのが現実です。

それを見て日本政府は、平成28年度に「企業主導型保育事業」を開始し、複数の企業が共同で一つの企業主導型保育所の設置ができる制度を作りました。

企業側も会社のイメージアップに効果があるとして企業内保育所を設置する会社が少しずつ増えてきています。

企業内保育所には二つの種類が!

企業内保育所には大きく分けて認可、無認可の二つの種類に分かれます。

認可保育所
(事業所内保育所)
企業主導型保育所
(企業主導型保育事業)
認可・無認可 各地方自治体に認可された保育所  内閣府主導の無認可保育所
基準 地域の子供を受け入れる事
認可基準(敷地面積や人員配置など)を満たす事
地域の子どもの受け入れは任意
認可基準(敷地面積や人員配置など)は緩やか
運営を保育の委託業者に依頼が可能

働くママにとって企業内保育所の7つのメリット!

実際に企業内保育所に預けることで、家庭にとってどんなメリットがあるのでしょうか。

1.保活の心配がない

通常の保育園は4月入園が鉄則であり、その時期に入園できない待機児童が増えています。

そのため、どの保育園にどの時期に入園できるのか、小さい子を連れていくつもの保育園探しをしないといけません。

保育園が見つかるまでは仕事復帰ができない焦燥感は、ママにとっては大きな不安材料に…。

そんな保活をせずとも保育所が決まっていることで、育休中は慣れない育児に専念することができます。

2.仕事復帰の時期を決めやすい

職場の繁忙期や産休前に取り組んでいた仕事の進行具合に合わせ、復帰の時期を決められることもメリットの一つです。

保育園の入園を待っていたらベストな復帰の時期を逃し、産休前の自分のポジションがなくなる場合も…。

仕事内容が変わってしまったり違う部署への異動を余儀なくされ、育休明けに退職することになったケースもあります。

職場が自分を求める時期に早期復帰ができれば仕事のカンも早く戻り、産休・育休中に不在にしていた穴はすぐに埋まるでしょう。

3.近くに子供がいる安心感

何といっても母親にとって子供が常に近くにいることが一番のメリット!

小さい子供は朝元気でも突然発熱するなど、体調が急変することも…。

そんなときすぐに様子を見に行ける距離にいること、災害時にもすぐに駆けつけられる安心感は何にも変えられません。

また休憩時間に授乳もでき、子供の様子を見に行くだけでも働くママはパワーアップ!頑張ろうという気持ちにも繋がります。

4.職場に保育所があることで送迎や出退社時間が短縮

保育園通いのママは自宅から保育園、職場への送迎の時間がかかり、残業をしているとお迎えの時間が遅くなり延長料金をとられたという声も多くあります。

企業内保育所なら送迎の時間が無いため、朝や帰宅後の時間に余裕ができます。

働くママは1分1秒でも時間が惜しいもの…。その時間を子供とゆっくり向き合う時間にもあてられますね。

また保育園への送迎が無いことで、疲れたママの体力も回復しやすいでしょう。

5.利用者に同僚が多い安心感

保育所に預けるママが同じ職場であることが多いため、コミュニケーションを取りやすいことも良い点です。

保育園には他地域から様々な状況の家庭のパパやママがいるので、ママ友の交流も一から始めることになり仕事を持つママにとっては面倒なこともあります。

そんな負担がなく同じ環境で仕事と子育てを両立しているママ同士なら、似た悩みを抱えがちで相談もしやすいようです。

6.アットホームな保育所の雰囲気

待機児童が多い保育園はマンモス園だと子供の数が多く、保育士の目が届かない心配があります。

大勢の子供の中で給食を食べお昼寝をしなくてはいけない環境に慣れない子供も多くいるでしょう。

企業内保育所なら子供の人数が比較的少ないため家庭的な雰囲気が保たれ、何より大好きなママが近くにいるという安心感は子供にとっても大切な事ですね。

7.預かり時間に融通がきく

各職場の勤務体制を把握している保育所が多いので、残業等でお迎えの時間が遅くなっても融通がきくので安心です。

お迎えの時間がかからない分、仕事をキリの良いところまで終えられるため仲間に迷惑をかけることが少なく、自分自身の仕事のしやすさにも繋がるでしょう。

企業にとってのメリット!

働くママだけでなく企業内保育所を設立している事業者側にも、多数のメリットがあることがわかっています。

  • 優秀な人材を確保できる:優れた社員を早い段階で復帰させることができる
  • 離職率の低下につながる:保育園が見つからず仕事を辞めていく社員を減らせる
  • 企業のイメージアップ効果:女性が働きやすい職場として人材が集まりやすく、転職希望者や就活生へのPRに!
  • 土日祝営業の企業は育休明けの社員を確保できる:認可保育園は基本的に平日のみのため、企業の営業時間に合わせて子供を預かる体制があれば社員も辞めずにすむ

働くママにとって企業内保育所の7つのデメリット!

家庭とっても企業にとってもメリットがたくさんの企業内保育所ですが、意外にも忘れがちなデメリットがあることも知っておくべきでしょう。

1.通勤ラッシュに子供を巻き込む恐れが…

特に都心に職場がある場合は、職場または職場の近くの保育所まで電車やバスで子供を連れて行かなくてはいけません。

自宅近くの保育園に子供を預けたあとに自分だけが混み合う電車に乗るのではなく、そこに子供を巻き込んでしまうことがあります。

朝だけでなく帰りのラッシュに合うことも…。

子供が泣かないよう気にかけ荷物も多い状況は心身共にママの負担が大きく、人混みは免疫力がない子供の体調も崩しやすいため、できるだけ避けたいところです。

2.保護者の勤務が休みの日は利用できない

保護者が体調不良で会社を休みたい時に子供を預けられないことは、かなりデメリットの中でも大きいでしょう。

基本的に企業内保育所は親が勤務している時間に子供を預かることになっており、体調不良で職場まで連れて行くこともできないですね。

保育園であれば親の体調不良等の事情でも融通はききますが、「親の勤務体制」=「子供を預けられる時間」であるとそうもいかないことは大きな弱点です。

3.保育所の施設が狭い

企業主導型保育所の施設面積は規定の基準を満たす必要がないため、施設内が狭いことが多くあります。

保育園のように園庭でどろんこ遊びやプールの水遊びができず、最も体を動かして遊ばせたい時期の子供が運動不足になりがち…。

運動会や餅つき大会などの様々な行事が少ないこともあり、保育内容に首をかしげるママも出てきます。

4.教育面が心配

子供の人数が比較的少ない企業内保育所では集団生活を通した学びが少ない傾向にあるため、毎日通っていると教育面が気になるというママの声も聞きます。

保育園のようにベテラン保育士がいないこともあり、このまま小学校に入学して保育園や幼稚園から来た子供たちと一緒に学べるかと不安に思うこともあるでしょう。

5.育児休暇制度を十分に活用できない不満を感じることも

日本では生まれた赤ちゃんが1歳の誕生日の前日までは育児休業を取得できるとされており、事情により最大二年までは延長することができます。

できるだけ長く子供と一緒にいたい信念があるママにとっては、早くから預けられる企業内保育所があるとそうもいっていられない状況に陥ることがあるでしょう。

6.上司の子供が同じ保育所にいることがある

通常の保育園ではまずあり得ないことですが、職場の上司や先輩の子供が同じ保育所にいることが多くあります。

子供同士のトラブルも考えられるでしょう。子供のことと仕事は別!とお互いにわかっていたとしてもやはりやりにくいものです。

それが原因で部下や後輩の子供が他の保育園に転園したというケースもあるようです。

7.子供の成長に合わせ転園の必要があることも!

授乳期や体調を崩しやすい月齢の子供は、職場や職場近くの企業内保育所に預けることはとても安心でした。

就学前まで預けられない保育所の場合や、子供の成長に合わせ保育園や幼稚園への転園を考えるケースが多くあります。

何歳でどこに転園させるのか、育休中に保活をしなかった分考えなくてはいけないことにもなりがちです。

転園させた保育園や幼稚園に子供がすんなりと慣れるかも心配材料になりますね。

企業にとってのデメリット!

企業内保育所に預ける社員から見てメリットの数だけデメリットがありましたが、企業側のデメリットはどのようなことがあげられるでしょうか。

運営継続が困難な場合も!
園児減少や採算が取りつらいため運営して行けなくなる可能性がある
(企業主導型保育所は5年で助成金がカット)
保育士の確保が難しい
保育士の人数が少ない現実で、不安定な保育所に就職する人材が少ない

企業内保育所を導入している企業の紹介

女性従業員が安心して子供を預け働けるために、様々な企業で独自に考えた企業内保育所が設立されています。

YAHOO「ヒュッテ」(東京ガーデンテラス紀尾井町)
  • 対象:2歳児まで。5歳までの一時保育も。
  • 定員:12人保育士3人と保育補助2人が常駐
  • 午前7時から午後8時まで
  • オムツ・洋服・布団などを保育所内で洗濯する「手ぶら登園」を導入
  • 読み聞かせも実施
ワークスアプリケーションズ「WithKids」
  • 午前8時から20時半まで
  • 職員と子どもが一緒に昼食や夕食が食べられる
  • 延長保育料金がかからない
LINE 「みどりの保育園」
  • 対象:0歳から2歳児
  • 定員12人の少人数保育
  • 午前9時から21時まで
  • 子どもの才能や可能性を伸ばす「エデュケア」を実践
みずほフィナンシャルグループ「みずほキッズかるがも」
  • 対象:0歳児から5歳児まで
  • 基本的生活習慣を身につけさせる
ブリヂストン「ころころ保育園」
  • 対象:生後9週目~小学校前
  • 午前7時半~18時半(最大21時まで延長可能)
  • 工場の敷地内に広い園庭があり社宅からも近い立地
  • 父親の育児参加の企画も積極的
GMOインターネットグループ「キッズルーム GMO Bears」
  • 世界一の託児施設を目指す
  • 頼りがいのあるベテラン保育士から元気な保育士まで多数勤務
  • オムツや布団などは全て園で用意
井村屋 アイアイキッズルーム(三重県津市)
  • 対象:正社員・パートの区分なく1~4歳まで
  • 楽しく興味を持って食の大切さがわかるように「食育」にも取り組んでいる
ローソン「ハッピーローソン保育園」
  • 対象:生後57日から就学前
  • 定員:20名
  • 8時から18:15まで(延長保育18:16~19:00)
  • 「ハッピーローソンプログラム」という子育て未経験の社員向けの講座も実施
IKEA(イケア)「イケア・ダーリス」(ダーリスはスウェーデン語で保育所の意味)
  • 対象:生後57日から6歳まで
  • 社員のアンケート調査では7割近くが「保育施設がなければイケアでは働かなかった」と回答している
資生堂 「カンガルーム汐留」「カンガルーム掛川」
  • 対象:0歳児から就学前
  • 東京汐留に続き掛川工場内にも設置
花王「メリーズ ガーデン」
  • 対象:グループに勤務する社員の子供生後57日から就学前
  • 定員:19名
  • 7時半~18時(延長保育18時~20時)
  • 不審者の侵入を防ぐためのセキュリティ対策

企業内保育所を上手に利用しよう!

好きな仕事を続けながらも子供は二人以上欲しいなど人生設計を立てている女性にとって、保育所が設置されている企業は大きな魅力ですね。

他のママが保育園探しをしている間に早期仕事復帰!子供を近くに置いて仕事に戻り出産のリスクを軽くしたいワーキングママにはとても強い味方となります。

企業内保育所のメリットだけを生かし上手に利用したいものですね。

子供を近くに置いておきたい月齢まで企業内保育所に預け、その後子供に合わせた園に転園させることも方法の一つでしょう。

待機児童問題で保育園に入園させにくい月齢を過ぎれば、保活もそこまで難しくないことも。

今では限りある企業内保育所ですが、どんな企業でも子供を預かる施設が当たり前のように充実し、デメリットが少なくなる世の中になって欲しいと願いますね。

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