家を購入する際の頭金の相場は?マイホームに向けた自己資金の貯金方法も紹介!

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2018/08/09

家を購入する際の頭金の計算をしている様子

家を買おうとする時には、頭金は購入金額の2割は必要と言われていました。かつては、住宅ローンは購入費用の8割の金額までしか申し込めなかったため、このような基準があったようです。

今は、頭金が0でも住宅ローンを借りることは可能ですが、みんなどれくらい準備していて、自分が必要な額はどのように出せばよいのでしょうか。

頭金を貯める方法とあわせて、解説していきたいと思います。

住宅を購入する時の頭金とは

住宅を購入する時に、自分の預貯金等から支払うお金が頭金です。頭金で足りない分を、住宅ローンで支払います。

頭金=土地建物の代金-住宅ローンで支払う金額

家を購入する時には、建物・土地の代金の他に、諸費用として契約のための事務手数料や引っ越し代金が掛かります。

諸費用は、購入金額の10%ほどを見ておくとよいです。諸費用も含めてローンを借りることができますが、現金で用意することが多いようです。

みんなどれくらい用意している?頭金の平均額

住宅金融支援機構は、フラット35でローンを組んだ人を対象に、住宅やマンションの購入などに、頭金をどれくらい用意したのか調査をしています。

住宅購入のための所要資金の平均が3,537.3万円。頭金の平均は、447.3万円。頭金の中央値が271万円という結果です。

(住宅金融支援機構「2017年フラット35利用者調査」より)

平均値は一部の人につられて高くなる傾向にあるので、中央値の方が実際の平均の感覚に近いです。

住宅購入のために必要な額に対して、頭金の割合は、平均値では12.6%、中央値では7.6%となっています。平均でも、頭金は2割には達していませんね。

頭金の有り無しで返済額をシミュレーション

準備した頭金の金額によって、毎月の返済額や利息はどのくらいになるのでしょうか。住宅金融支援機構のサイトで、住宅ローンの返済シミュレーションができます。

例として、4,000万円のマイホームを購入する場合の、簡易な試算をしてみます。住宅金融支援機構のローンであるフラット35は、購入価格に対して借入金が9割を超えるか超えないかで利率が違ってきます。

融資率9割以下は金利が1.34%、融資率9割超は金利が1.78%として、シミュレーションします(平成30年7月現在)。

その他の借入試算条件は以下とします。

  • 借入期間35年間
  • 元利均等返済
  • ボーナス返済なし
  • 融資手数料や保証料を考慮しない

頭金が1,000万円の場合の返済額

頭金が1,000万円の場合は、融資率が9割以下なので、借入利率を1.34%で計算します。

  • 借入金額:3,000万円(4,000万円-頭金1,000万円)
  • 毎月の返済額:9万円
  • 総支払額:3,760万円
  • 支払利息の総額:760万円

頭金が500万円の場合の返済額

頭金が500万円の場合も、融資率が9割以下なので、借入利率を1.34%で計算します。

  • 借入金額:3,500万円(4,000万円-頭金500万円)
  • 毎月の返済額:10.5万円
  • 総支払額:4,387万円
  • 支払利息の総額:887万円

頭金が0の場合の返済額

頭金が0の場合は、融資率が9割超なので、借入利率は1.78%で計算します。

  • 借入金額:4,000万円(4,000万円-頭金0円)
  • 毎月の返済額:12.9万円
  • 総支払額:5,378万円
  • 支払利息の総額:1,378万円

頭金を用意するメリットと頭金0のデメリット

シミュレーション結果をまとめると、頭金の額によって利息額はこのようになります。頭金を用意した額による金利の優遇もあるので、総利息額は結構変わってきますね。

頭金 利息総額
1,000万円 760万円
500万円 887万円
0円 1,378万円

頭金を多く準備する事のメリット

  • 利息の総額を減らすことができる
  • 借入の期間を短くできる
  • 頭金の額によっては金利の優遇を受けられる場合もある

一方、頭金が0でもローンを組むことは出来ますが、デメリットもあります。頭金が少ないと借入額が多くなり、毎月の返済の負担も大きくなります。

ローンの返済が厳しくなった時には、最悪の場合競売に掛けられて、自宅が売却されてしまう可能性もでてきます。

競売に掛けられた時の時価よりも、ローンの残高が多い場合は、売却したお金で補えない部分を現金で支払わなければなりません。頭金が少ないと、家を売る時も大変になります。

頭金の必要額を計算する方法

頭金が多い方が利息の面などでメリットがありますが、実際どれくらい用意すればよいのでしょうか。

年収に対する返済額の割合から算出

頭金の算出方法の一つとしては、家計に対する返済の負担率から借入金の額を出すやり方があります。

住居費の割合は、年収の25%ほどに収めるとよいと言われています。住居費は、住宅ローンの返済額だけでなく、マンションを購入した時にかかる管理費用などのランニングコストも含めて考えます。

返済負担率=(1年間の返済額÷年収)×100(%)

例として、年収500万円で、毎月の返済額を10万円、返済期間を30年間とすると

(120万円÷500万円)×100=24%・・・返済負担率

120万円×30年間=3,600万円・・・借入金の総額

欲しい物件にかかる購入費用が4,000万円とすると、4,000万円-3,600万円=400万円

必要な頭金は、400万円となります。

今の家賃をベースとして頭金を算出

家賃として払っている金額をベースに頭金の額を考えると、以下のようになります。

今住んでいるマンションの家賃が12万円で、それを今後のローンの返済額に充てられるとします。借入期間を25年間に設定すると

144万円×25年間=3,600万円

住宅の購入費用が4,000万円の場合、頭金の必要額は400万円となります。

こどもの成長などに従い支出も増えていくので、将来的にも払い続けられる返済額を設定しましょう。将来の支出を把握するためには、ライフプランの作成が大切です。

頭金を払う時は当面の生活費は残して

転職で給料が下がったり、病気で働けなくなると、毎月のローンの返済が出来なくなります。

不測の事態に備えて、貯金の全てを頭金として出すのではなく、半年から1年間分ほどの生活費は残しておいた方が安心です。

たとえば、年間の生活費が大体300万円とすると、150~300万円ほどは手元に置いておいた方がよいという計算になりますね。

マイホームの資金の貯め方

ついつい使ってしまって貯金がなかなか貯まらないという人には、お給料から先に天引きして貯蓄する方法がおすすめです。

自動積立定期預金で給料から天引き

金融機関では、毎月決まった日に、決まった金額を積立定期預金にするサービスがあります。普通預金口座から、自動振替で定期預金口座に預け入れる仕組みです。

積立定期預金は、給与から直接天引きされる仕組みではありませんが、毎月の積立日を給料日に指定すれば、給料が入ったその日に積立口座へお金が移動するので、うっかり使い込む心配もなくなります。

積立定期預金の特徴

  1. 積立金額は5,000円から1,000円単位の金融機関が多い
  2. 年に2回のボーナス月に金額を多く設定することも可能
  3. 手持ちのお金に余裕があれば、随時ATMで積立口座に入金できる
  4. 金利は期日指定定期預金利率を適用する場合が多い
  • 積立金額は、1,000円から始められる金融機関もあり、楽天銀行は、1,000円から1円単位で自由に積み立てることが出来ます。
  • 2018年7月10日現在では、イオン銀行の積立定期預金の金利が年0.15%と群を抜いて高いです。
  • 財形住宅貯蓄は非課税で貯められる

    財形制度には、一般財形、住宅財形、年金財形の3種類があります。財形住宅貯蓄は、将来家を建てる資金や家のリフォーム資金を貯めることを目的とした貯蓄です。

    財形住宅と財形年金を合わせて、元本550万円までの貯蓄に対する所得税20.315%が非課税となり、給与天引きで貯蓄が出来る点が魅力です。

    財形住宅貯蓄の注意点

    • 給与天引きのため、勤務先で財形制度がないと始めることができない。
    • 財形を始める金融機関は、会社指定で選べないことも多い。
    • 会社をやめた場合、2年以内に次の勤務先の財形に移し替えなければ解約となる。
    • 住宅の取得・リフォーム以外に払い出す場合、5年前までさかのぼって利息が非課税ではなくなる。

    元本割れリスクの商品は不向き

    貯蓄性のある保険商品は、銀行の預金よりも還元率が高く魅力的ですが、中途で解約する場合元本が保証されていません。住宅資金には、あまり向いているとはいえないでしょう。

    投機性の高い投資信託等も、リターンは大きいけれどリスクも大きく、長期的に運用しない場合は安定的に頭金を貯めることは難しいと言えます。

    親からの資金援助には贈与の特例を

    ご両親から資金援助を得られる場合は、住宅取得資金等贈与の特例を受けると、贈与税が掛かりません。

    非課税の特例を受けるためには、お金を貰った翌年の確定申告で、贈与税の申告を行う必要があります。

    平成30年4月現在の非課税枠
    平成32年3月31日までに住宅購入の契約を締結すると、省エネ住宅の場合1,200万円、一般住宅の場合700万円までの贈与が非課税となります。

    消費税が10%になった場合の非課税枠
    平成31年4月1日から平成32年3月31年に契約を締結した場合、省エネ住宅では3,000万円、一般住宅では2,500万円の贈与が非課税となります。

    消費税が、予定通りに平成31年10月1日に10%になった場合、非課税枠は拡大されます。贈与の金額によっては、タイミングを検討した方が良さそうですね。

    家計支出の見直しで固定費を節約

    お給料から天引きで貯金をする以外にも、家計の支出を見直すことも効果的です。特に、毎月かかる固定費を節約できると効果が大きいです。

    生命保険を掛けすぎていないか見直し

    固定費の中でも、特に金額が大きい保険の見直しはおすすめです。安心のために、必要以上に保険料を掛けすぎていないか、一度見直してみませんか。

    最低限の死亡保障の金額は、以下の計算式で求められます。

    年収の3倍+(1,000万円×子どもの人数)-貯金額

    (花輪陽子『夫婦で貯める1億円』より)

    現在の貯金で賄えない、当面の生活費と子どもの教育費を保障金額として設定します。

    ご家庭によって、子どもの学費はもっと掛けたいという人は、計算式の1,000万円を2,000万円に変えるなどして、金額を求めてください。

    月々の保険料を減らすことが出来れば大きな節約になります。

    水道光熱費・通信費を安く契約できないか見直し

    毎月の水道光熱費・通信費も、見直すことで節約できます。

    電気料金は、今お使いのアンペアを下げることで基本料金が安くなります。また、電力自由化によって価格競争となったので、たとえば東京電力から東京ガスへ乗り換えることで、年間の料金が節約できる場合もあります。

    スマホ料金も、格安スマホに乗り換えることができれば、大きな節約になります。毎月かかってくる固定費を安くすることが出来れば、無理のない節約ができますね。

    家の購入の際には家計の現在と将来の支出を把握しておこう

    頭金が多いとメリットが大きいですが、何割貯めればよいと決まっているわけではありません。頭金の必要額は、その人の欲しい物件の価格、毎月返済可能な金額等により導き出されます。

    毎月の返済可能額を計算するには、家計の状況を把握しておかなければなりません。今現在の家計の預貯金、毎月の支出、この先予想される出費を踏まえて、借入金額や頭金の額が決まってくるのです。

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