子宮口全開前に破水する早期破水…起きた場合の注意点と対処法

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2017/12/11

早期破水してしまったかもしれない妊婦さん

お腹が大きくなってくると、陣痛や破水がいつ起こるのか気になってきます。

陣痛から始まって、子宮口が全開大になってから破水という形になるのが理想的な破水なのですが、子宮口が完全に開く前に破水してしまう場合もあります。

早期破水が起きた場合に注意すべきことと、破水が起きた後の対処法について説明します。

早期破水は分娩が始まって子宮口が全開大になる前の破水

分娩が始まって、子宮口が全開大になる前に破水することを、早期破水と言います。早期破水が始まると、羊水は絶えず流れ出てきます。

卵膜の脆弱、赤ちゃんと子宮下部や骨盤入口との間が不適合(隙間が空いているなど)、子宮頚部や子宮口が強靭で、子宮が開大しにくい場合などの要因が考えられます。

すでに病院で管理されており、母子の状態に合わせて処置を行うことができれば、特に問題がない状態です。

関連記事:非適時破水が起こる原因…理由によっては防げるものも!

病院外で早期破水になることもあるのか

早期破水は陣痛がすでに始まっている状態なので、病院内で管理されていることが殆どですが、病院外で早期破水を起こすことはあります。

  • 本陣痛に気がつかないうちに破水した
  • 陣痛間隔が長かったので自宅で待機して、本陣痛になってすぐに破水した
  • 陣痛間隔が短くなってきたので、車で病院に向かっていたら破水した

上記のような経験を持つママ達もいるようです。

適時破水だと本陣痛から破水まで、かなりの時間(一般的に12時間以上)が掛かるのですが、早期破水も起こりうると考えておくことも大切です。

早期破水で考えられる主な3つのリスク

早期破水は本陣痛が始まった後、子宮口が全開大になる前に破水した状態を言いますが、37週以降で分娩が近いのであれば、あまり問題はありません。

ただし、下記のリスクも考えられるので早急に医療機関を受診しなくてはいけません。

  1. 卵膜が破れることによる子宮内感染
  2. 赤ちゃんの臍帯(さいたい)脱出や四肢脱出による胎児機能不全
  3. 子宮口が開大しにくいことによる分娩遷延

この3つについて説明します。

卵膜が破れることによる子宮内感染

早期破水でも病院内で管理された状態であれば、感染に対する予防措置をしながら分娩に望むので、特に問題はありません。

破水が起きたときに、病院外にいる場合は早急に病院へ連絡し、受診しなくてはいけません。

破水して卵膜が破れることで無菌状態だった子宮内が感染し、赤ちゃんまで感染が及んでしまう可能性が出てきます。

赤ちゃんの臍帯(さいたい)脱出や四肢脱出による胎児機能不全

赤ちゃんの頭が、骨盤の出口で固定されていればあまり問題はありません。

赤ちゃんの頭が骨盤出口で固定されていないと、羊水流出につれて臍帯や四肢が、破れた卵膜から出てくる可能性があります。

臍帯はへその緒のことで、長さは50~60㎝で母体から酸素や栄養をもらっています。臍帯が圧迫されると、酸素が充分に運ばれなくなってしまいます。

子宮口が開大しにくいことによる分娩遷延

早期破水の要因の一つとして、子宮口が開大しにくいことが挙げられます。「軟産道強靭」と呼ばれていて、個人差もありますが、高齢出産に多く見られるようです。

子宮口が開大しにくいと分娩が長引き、分娩が長引くと赤ちゃんやママの元気がなくなってくる可能性があります。

リスクを回避するために感染予防と分娩を進ませる処置

早期破水では陣痛起きているので、リスクを回避しながら、分娩を行うことになります。

子宮内感染を防ぐための抗生物質の投与

破水が病院外で起きた場合、子宮内感染の恐れがあるため、シャワーやお風呂はNGです。すぐに病院へ連絡し、指示を仰ぐことが重要になります。

卵膜に包まれている状態では、赤ちゃんは無菌状態の羊水の中にいますが、破水すると感染のリスクが高くなります。

早期破水の場合も前期破水と同様に、赤ちゃんが出てくるまでに時間が掛かってしまうと、子宮内感染を起こす可能性はあるため、抗生物質を投与されます。

お産が進まない場合は分娩を進ませる処置

早期破水が起きてから24時間から48時間たっても、お産が進まない場合は、子宮口を柔らかくするために、陣痛促進剤を使用する場合もあります。

お産を長引かせないことで、子宮内感染や、赤ちゃんやママの体力の消耗を防ぐために検討される処置です。

陣痛促進剤を使用する場合、「過強陣痛」などのリスクもあるので、リスクを回避しながら行うことが大切です。

  • 子宮収縮状態・脈拍・血圧の監視
  • 胎児の心拍の監視

分娩監視装置を装着し、上記の点を細かく管理しながら、場合によっては投与量の調整、投与の中止が行われます。

陣痛促進剤を使用する場合は、医師からの説明を受けて、妊婦の合意のもとに使用されます。

赤ちゃんの感染リスクを減らすため、分娩を進ませる処置が取られる場合があります。母子の状態によっては帝王切開が選択される場合もあります。

赤ちゃんやママに危険と判断されれば帝王切開も選択肢に

分娩遷延や臍帯脱出など状態によっては、胎児機能不全(胎児仮死)を起こす可能性もあります。

そのため、陣痛は起きていて分娩が進んでいる状態でも、母子に危険が伴うと判断された時は、緊急で帝王切開を選択される場合もあります。

臍帯脱出している場合も、経膣分娩でも対応できる判断されれば、子宮口が全開大になってから、鉗子分娩や吸引分娩を行い、赤ちゃんを早く取り出す方法も取られます。

鉗子分娩
鉗子(かんし)と呼ばれるスプーンを二つくっつけたような機器で、赤ちゃんの頭を挟んで体全体を引きだす分娩方法
吸引分娩
吸引カップを赤ちゃんの頭につけて、吸引しながら体全体を引き出す分娩方法

経膣分娩と思っていたのに、陣痛に耐えた後に帝王切開を告げられると、ショックを受けるママもいますが、分娩遷延や臍帯脱出で、胎児機能不全を起こす可能性もあります。

赤ちゃんの心拍が下がった、ママの容態が悪化してきたなどの場合、母子の危険を回避するために、緊急帝王切開は必要な処置になります。

早期破水でも心配しすぎないで!病院外の場合はすぐに病院へ連絡を

早期破水の症状だけの場合は、子宮口が順調に開いていけば、適時破水と管理方法はあまり変わりないので、必要以上に心配しない事も大事です。

分娩が始まったら、子宮口が全開大になるまではいきみ逃しをしながら、痛みが引いている時は、体を休ませてリラックスした方がお産がスムーズに進みやすいです。

  • 病院外にいる場合はすぐに病院へ連絡して指示を仰ぐ
  • シャワーやお風呂はNG
  • 病院へは車やタクシーで移動する(自分で運転はNG)
  • 分娩が始まったら医師などの指示に従う
  • 体の異常を感じたらすぐに医師や病院スタッフに相談する

妊娠中は破水や陣痛がいつどのように起きるか分からず、不安を覚えることもあります。

不安な事、トラブルが起きた場合は専門医と相談しながら最善の方法をとると考えて、出産できる準備を整えて、心配し過ぎずリラックスする事も大事です。

関連記事:出産が近づくと気になる破水!破水の種類とそれぞれの症状

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